10月10日と14日に地域住民説明会を開催
南芦屋浜地区(潮芦屋地区)の「ミズノスポーツプラザ潮芦屋」がある、涼風町5番の教育施設用地。次の活用事業者の募集に関する地域住民説明会が開催されます。
【10月10日・14日の住民説明会の案内チラシ】
現在の事業者との契約は、2027年3月31日に満了します。この土地を、これから誰が、どのように使い、市民にとってどんな場所にしていくのか。大切な節目を迎えています。
【地域住民説明会】
10月10日(土)午前10時〜11時
10月14日(水)午後7時〜8時
会場は、ミズノスポーツプラザ潮芦屋の多目的室です。両日とも同じ内容で、申し込み不要。どなたでも参加できます。内容は、活用事業者の募集についての説明、質疑応答など。
10年間も時間があったのに、今ごろ⋯
この住民説明会のお知らせのチラシは、市職員によって、対象地に面する近隣の約700世帯にポスティングされたとのことです。
9月18日の委員会で私が質問した時点では、説明会の日程すら決まっていませんでした。そして、10月に入ってようやく開催日が決定。住民が意見を伝えられる機会が設けられたのは、開催直前になってからのことです。さらに、芦屋市のホームページなどでは、今回の説明会についてのお知らせを確認することができませんでした。
最初の説明会は10月10日。しかし、案内チラシが配布されたのは、そのわずか4日前です。そして、市は、この2回の説明会で出された意見を踏まえ、特に異論がなければ、市民の意見を十分に反映させたとして、事業者募集に進むというのです。
これほど短い周知期間と、わずか2回の説明会だけで、地域住民の意見を十分に聞いたと言えるのでしょうか。
市民の大切な財産である市有地の今後の活用を決めるにあたり、住民が情報を知り、将来のまちのあり方を考え、意見を伝えるための時間が十分に確保されていたのか、疑問が残ります。
10年間という長い時間があったにもかかわらず、なぜ契約満了が迫った今になって、直前の案内と、たった2回の住民説明会で済ませようとしているのでしょうか。
しかも、今回の説明会は、市民の暮らしを支えるこの土地の、次の活用事業者の募集について説明するものです私は、事業者を募集する前に、まず市民がこの土地に何を求めているのかを把握し、その声を将来の活用に反映することが必要だと、早い段階からこれまで何度も市に求めてきました。
そもそも、この土地の活用については、10年前からの経緯があります。私は、市議会議員になってから何年にもわたり、「10年越しの市民との約束を、どのように果たすのか」ということを、市に繰り返し問い続けてきました。
なぜ、市民との約束が問われているのか。この10年間、市は何をしてきたのか。そして、なぜ今、このような形で次の事業者の募集が進められようとしているのか。
先日行った9月定例会の一般質問で取り上げ、これまでの経緯を振り返りながら、土地の貸付条件や市の対応、市民との合意形成のあり方について、この住民説明会に向けて最終確認を行いました。
今回の説明会を前に、まずは、議会での質疑の内容を知っていただき、これまでの経緯と私が問題視している点をお伝えしたいと思います。これからお伝えするのは、市民との約束が反故にされ、計画の杜撰さや行政の怠慢ともいえる対応が浮き彫りになったお話です。
小学校建設が中止された涼風町5番の教育施設用地
涼風町5番教育施設用地の位置は、潮芦屋ビーチの東側にあります。
【涼風町5番教育施設用地の位置図】
【対象地全体を示す航空写真】
もともと、この場所には小学校を建設する計画がありました。しかし、2015年春に建設が中止され、その後の土地利用が課題となりました。当時の土地所有者は兵庫県企業庁です。
2015年11月の説明会では、市が土地を取得する方針とともに、子育て支援、健康増進、地域交流、防災といった機能が示されました。その後、市が県から土地を取得し、現在の事業者による運営につながっています。
対象地の北東に位置する芦屋市総合公園(ミラタップパーク芦屋)も、同じミズノスポーツサービス株式会社が管理運営しています。ただし、総合公園は芦屋市が設置した公共施設であり、公設民営として同社が指定管理者として管理運営を担っています。所管する部署も道路公園課です。
一方、今回取り上げる涼風町5番の教育施設用地は、市有地を民間事業者に貸し付け、事業者が施設を整備・運営しているもので、総合公園とは事業の仕組みも位置づけも異なります。
同じ事業者が運営しているものの、両者はまったく別の事業であることをご理解ください。
土地全体は約2.76ヘクタール。認定こども園の部分と、スポーツ施設などに活用する部分があります。「教育施設用地」という用途ですが、小学校だけの話ではなく、まちづくりとして子どもから高齢者まで、市民の暮らしを支える土地をどう使うかという問題です。
2016年、市民と交わした「10年後の約束」とは
10年前の2016年、2月から5月にかけて4回の意見交換会が開かれました。
当時、住民から寄せられたアンケートでは、災害時の避難所として利用できる体育館などの2階建ての屋内施設等の複合施設を求める声が多く、そのほかにも、子どもたちが放課後に集える居場所、図書館機能として、読書を楽しめるカフェ、地域住民が交流できる施設など、暮らしに必要な意見が出されていました。
小学校に代わる、地域の核となるコミュニティの場所になることを、多くの住民が期待していた場所だったからです。
もちろん、住民の考えは一つではありません。だからこそ、幅広い意見を聞きながら、将来の土地活用について丁寧に話し合う必要がありました。
では、なぜ10年間の暫定的な活用となったのでしょうか。
そもそも、この土地は兵庫県企業庁が所有していた教育施設用地で、当初は小学校の建設が想定されていました。しかし、県企業庁との契約期限が迫る中、市議会の多数派議員から学校建設に反対する申し入れが行われ、市は学校建設を見送る方針を示しました。
当時、この地区には地域の核となるハード整備された公共施設がありませんでした。新興住宅地にとって、学校は単なる教育施設ではなく、地域の交流や防災の拠点としても、まちづくりにおいて重要な役割を担う存在です。その学校建設計画が取りやめとなり、地域住民が期待していた公共施設の整備は、大きな転換を余儀なくされました。
突然の方針変更を受けた行政には、学校に代わってどのような施設が地域に必要なのか、住民の声を丁寧に聞き、将来の土地活用を検討することが求められていました。しかし、県企業庁と民間事業者との契約満了期限が目前に迫っていたため、住民との十分な話し合いや、具体的な将来構想をまとめるための時間は、ほとんど残されていなかったのです。
そこで市は、まず土地を取得し、既存の健康増進施設を活用しながら、その間に将来の土地活用を検討していくという方向を示しました。2016年5月23日の意見交換会では、当時の佐藤副市長が、既存の施設を有効活用することで新たな整備費用を抑えながら、将来の構想づくりを並行して進めるという考えを説明しています。
また、地域の合意形成や本格的な施設整備には長い時間が必要であることを認め、10年程度の事業期間を念頭に置いた活用が示されました。
実は、この時点で住民からは、10年間の暫定利用について、もちろん疑問視する声が上がっていました。
議事録の8ページには、住民から、10年間も暫定的な施設を続けながら構想を練るという進め方に対し、まずは住民と十分に話し合い、将来の施設の基本構想をつくるべきではないかという疑問が示されています。
また、将来、地域が文化施設を望むのであれば、10年後に施設を切り替えることも可能なのか、という質問も出されました。これに対し、佐藤副市長は、施設の切り替えもあり得るとしたうえで、既存施設を利用する期間と並行して、南芦屋浜のまちの完成に向けて取り組むという考えを説明しています。
同じ会の最後には、当時の山中市長も、住民と話し合いを重ね、教育施設用地の将来像を一緒に考えていく姿勢を示しています。
つまり、当時の住民が懸念していたのは、暫定利用がそのまま既成事実となり、将来の公共施設の整備が先送りされてしまうことだったのでした。
そして市は、既存施設を活用する10年間を、将来の土地活用について市民とともに考え、具体的な構想を練るための時間にもすると説明していたのです。
あれから10年。今、まさに当時の住民が心配していたことが問われる時期を迎えています。
参考:2016年5月23日の意見交換会議事録 3・8・20〜21ページ
公募でありながら、既存施設の継続ありきの事業者選定
本来、土地の所有者が兵庫県企業庁から芦屋市に変わるのであれば、それまでの土地利用をいったん整理し、既存事業者による施設の撤去・更地返還も含め、どのような状態で土地を引き継ぐのかを明確にする必要があります。そのうえで、市有地として新たな活用方針を定め、公平な条件のもとで事業者を募集するというのが、私の考える本来の筋道です。
しかし、市が選択したのは、既存のスポーツ施設を引き続き活用するという方向でした。
県から土地を取得した市は、公募型プロポーザル方式で事業者の選定を進めましたが、その募集条件は、既存の健康増進施設の継続利用を基本とするものでした。形式上は公募であっても、既存施設をそのまま活用することが前提となれば、新たな事業者が参入できる余地は限られます。
私は、こうした条件設定が、実質的には既存事業者であるミズノスポーツサービス株式会社の継続に有利に働くものだったと考えています。
そして、2017年4月1日から2027年3月31日までの10年間を事業期間として、既存施設を活用したミズノスポーツサービス株式会社による運営が続けられてきました。
もちろん、現在のスポーツ施設が地域で利用され、親しまれていることを否定するものではありません。
しかし、既存施設の継続は、あくまでも当面の土地活用として選択されたものです。
大切なのは、その10年間に、市が住民とどのように話し合い、将来の土地活用に向けて何を検討してきたのかということです。
10年越しの市民との約束を、どう果たすのか
当時の説明から10年。現在の事業者との契約は、2027年3月31日で満了します。
私は、市議会議員になってから、この問題を何度も議会で取り上げてきました。
なぜなら、当時の山中市長や副市長が住民に説明した、将来の土地活用を市民とともに考えていくという約束が、どのように果たされるのかを確認する必要があると考えてきたからです。前市長の伊藤氏が就任された時も、同じくその意思は引き継がれていることを確認できていました。
ところが、本市は、市民とともに将来の土地利用を考えるための計画を、一向に進めようとはしませんでした。その約束を実現するために、どの部署も、誰も動こうとはせず、時間だけが過ぎていきました。
さらに、高島市長・御手洗副市長の体制となって以降、市の説明には当初との違いが見られるようになりました。所管がスポーツ推進課に移り、幅広い市民の暮らしを支える土地としての役割よりも、既存施設ありきのスポーツや健康増進のための施設という側面ばかりが強調されているように感じます。
そして、契約満了が目前に迫った今になって、ようやく次の事業者募集に向けた住民説明会が開催されることになったのです。
この10年間、住民との合意形成に向けて、市はどのような取り組みを進めてきたのでしょうか。
そして、その結果が今回の事業者募集にどのように反映されているのでしょうか。私は、これまでの経緯や検討内容を市民に十分に説明しないまま、次の土地活用を進めることには不誠実さを感じています。
次回以降は、購入価格と賃料、市民向け機能の実態、返還地の活用、議会での市の答弁を順にお伝えします。













