情報は発信者によって受け取り方が変わる
私自身、議員になる前に、ある政治家の発信を見て、地元で実際に起きていることとはかなり異なる、偏った情報の出し方だと、市民として強い無力感を持ったことがありました。
しかし、その声はみるみるうちに広がり、地元の声は顧みられず、行政の正しい状況や見解も十分に示されないまま、「議員の発信だから」というだけで信頼を集めていったのです。そのときの私には、どうする術もなく、せめて身近な人たちだけでも、事実に基づいて判断できるようにしたいと願うことしかできませんでした。
そしてその頃から、世の中に広がる噂の多くは、情報を操る人たちによって広められ、都合よく解釈されていくものなのだと実感するようになりました。
そんな風に判断を歪められ惑わされている人たちを、見て見ぬふりしたくないと思うようになったのは、その頃からです。
せめて私は、正しい情報を人よりも多く知る立場に立ち、少しでも誤って伝わっている情報の部分に対して、反対側から事実を伝えていきたい。そう考えるようになったのです。
情報の中身を知るほど広がる、現実の反応との乖離
残念ながら、議員になってからも、JR芦屋駅再開発という大型事業や、市幹部のハラスメント問題などについて、実際に市議会の中に入り、状況を知る立場になってからも、実際に市議会の中で起きている状況との間で、自分の力不足を感じることばかりでした。
事実よりも、歪められた情報のほうが正しいと、大きな声となって広がっている現実に、強い絶望感を覚えました。それでも、どこかで必ず綻びが生まれ、時間がかかっても、正しい判断をしてくれる人たちが少しずつ増えていく日が来ることを信じて、私の本音を伝え続けてきました。
そんなときでした、SNSというもっともそのデマに拍車をかける自体が、兵庫県で起きていることを目の当たりにしたのは⋯⋯。
兵庫県知事選挙では、その後、立花孝志氏によって斎藤元彦候補に有利に働く情報が拡散されました。そうした発信の中には、後に虚偽であったと認められたものもあります。
👉️立花孝志被告に330万円賠償命令 「デマで世論誘導」 神戸地裁
また県政においても、本来外部に漏れてはならない情報が県議らに伝わっていたことが、第三者委員会の調査結果や、その後の捜査・報道で明らかになっています。
👉️告発者の私的情報、元総務部長の漏えいを認定 兵庫県第三者委
このように、情報の全体像を十分に知らない人たちに対して、自分たちに都合のよい部分だけを切り取って伝えるようなことが、あまりにも多く起きているように思います。特に政治の世界では、このようなことが繰り返されがちです。
政治家は、一定の影響力を持っています。「その人が言っているのだから」と、真実味をもって受け止める方も少なくないと思います。けれど、それが本当に理にかなった情報なのかどうかは、やはり受け手一人ひとりが、できる限りご自身でも調べ、確かめながら受け止めていただきたいと思っています。
政治家は、数ある情報の中から一部を選び、そこに自分の考えや立場を重ねて提示しています。
それは、私自身も例外ではありません。だからこそ私は、発信する側である自分自身も含めて、できるだけ印象操作に寄らず、全体の事実が見える形で伝えることを大切にしたいと思っています。
政党チラシを受け取った市民からの相談
市民の方からお便りが届きました。内容を確認すると、西宮市長選挙期間中だった3月25日に、JR芦屋駅南口で、西宮市選出の躍動の会増山誠県議が、県政報告チラシを配布していたことについて、そのチラシの内容に関するご相談でした。
兵庫県政について、受け手に特定の印象を与えるような切り取り方が多いと、私は感じました。このチラシの大きな特徴は、事実をゼロから捏造しているというより、事実の一部だけを切り出して、受け手が特定の印象を持つように並べているところがあったからです。
特にミスリードが強かったのは、県庁舎の費用を“560億円”で小さく見せている点と、県の借金問題を“震災の名残が主因”のように単純化している点です。この2つは、県の公式資料を合わせて見ると、かなり印象が変わります。
私は、政治家のこうした「受け手の印象」を意識した情報の切り取り方に、いつも違和感があります。
私の文章は、どうしても長くなりがちなのですが、そのぶん、伝わりにくくなることもあるのかもしれません。それでも、意識的な誘導を避け、全体の事実をできるだけ知っていただいたうえで、自分で考えていただきたい。そんな思いで書いています。
ミスリードの核心にある、framing(フレーミング)とは、物事の見せ方や切り取り方によって、受け手の受け止め方を方向づけることです。今回、このチラシを受け取った方が疑問を持ち、私にお手紙を書いてくださったこと、そして「おかしい」と違和感を持たれたことは、とても大切なことだったと感じています。
では、実際に私がどこがどのように、フレーミングだと感じた部分だったのかについては、調べた内容をnoteの方で、まとめています。
👉️note記事『芦屋市内で配布された県政チラシ、市民の方からご相談を受け、調べてみた結果』










