知事の判断は「他者」へと次々に委ねられた
斎藤知事は、元局長が報道機関に提出した「3号の外部通報」について、「公益通報者保護法における体制整備義務の保護対象ではない」と、そう判断できると、一貫して述べてきました。そして、理由を問われると、知事自身の判断として説明することは避け、次々と「第三者の判断」に委ねていった経緯があります。
1.第三者委員会の結論(6人の弁護士)
- 名称:文書問題に関する第三者調査委員会
- 設置者:兵庫県知事
- 提出日:令和7年(2025年)3月19日
- 対象:2024年に発生した内部告発文書について(告発者=元西播磨県民局長)を巡る一連の県の対応と文書問題全般。
2.百条委員会の結論(兵庫県議会)
- 名称:地方自治法第100条に基づく調査特別委員会( 百条委員会)
- 設置者:兵庫県議会
- 設置決定:2024年6月(本会議で設置議決)
- 構成:兵庫県議会議員(会派横断で構成)
- 対象:2024年に発生した内部告発文書について
- (告発者=元西播磨県民局長)をめぐる
👉️PDF『兵庫県議会 文書問題調査特別委員会 調査報告書』
3.消費者庁の見解(国の行政機関)
- 名称:消費者庁
- 所管:公益通報者保護制度の所管官庁
- 位置づけ:公益通報者保護法の制度設計・解釈を所管する
- 対象:元県民局長が行った報道機関への3号外部通報と、兵庫県の初期対応について
● 2025年4月8日→消費者庁 は、兵庫県に対しメールで次のような助言を行った。
この内容は、「報道機関への3号外部通報であっても、公益通報者保護法上の保護対象に該当し得る」「体制整備義務は外部通報も含む」という、国としての公式解釈を伝えるものでした。
● 2025年5月22日→消費者庁は、全国の自治体と国の行政機関に対し、公益通報者の保護体制を適切に取るよう確認や見直しを求める通知を出しました。
👉️消費者庁参事官『行政機関における公益通報者保護法に係る対応の徹底について』
4.内閣総理大臣の見解(高市早苗総理)
国会答弁において 高市総理 は、公益通報者保護法についての国の解釈は「消費者庁が所管し、その見解に基づく」という前提を明確にしたうえで、外部通報(3号通報)であっても、公益通報者保護法上の保護対象になり得る
という政府の立場を否定していません。
つまり、「体制整備義務の保護対象は内部通報にのみ限定」という兵庫県知事の説明を、国として支持する答弁はしていない。
5.特別弁護士のアドバイス(徳永信一弁護士)
斎藤知事が助言を受けたと繰り返し発言していた弁護士は一名であり、その人物が徳永信一弁護士であることは広く知られています。徳永弁護士は、消費者庁の指針について「法律の範囲内で義務を定めることは許されるが、本件では法律が優先されるため、体制整備義務は内部通報にのみ限定されると理解するのが通常である」との見解を示していました。この見解に立てば、明文規定のない範囲まで義務を広げた消費者庁の指針は、法律の授権を超えたものであり、「裁量権の逸脱」に当たると評価していたのです。
もっとも、この解釈は、百条委員会、第三者委員会、消費者庁、国会答弁における国の立場とは異なるものであり、結果として、斎藤知事の説明を正当化する立場に立つ唯一の”自称専門家”の意見となっていました。
ところが、斎藤知事が頼りにしていた弁護士さえも、高市総理の国会答弁の後、国の判断と違っていた「これまでの自分の意見」を撤回したのでした。
【#3】につづく…
【#3】>>
















