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議員個々の質問時間は平等? 会派所属の有無で変わる議会の対応と配分の公平性

信頼のおける会派に属することが出来た経験

 

私は2期目の議員です。現在会派には所属していませんが、1期目の4年間は3人の会派に所属していました。なお、誤解のないようにお伝えしておきたいのは、私自身、会派に所属していた経験そのものに対して否定的な思いは全くないということです。新人だったこともあり、会派に所属していたことで幅広い経験ができ、むしろ、この時の会派のメンバーでやれて本当によかったと感じていましす。

1期目に所属していた会派は、「あしやしみんのこえ」と言って、期数の長い先輩議員1名と新人2名という構成でした。先輩議員は私たちが新人だからといって、これまでの慣例や強固な意見を押し付けるようなことはまったくなさらずに、むしろ新しい考え方にも耳を傾け、尊重してくださるような方でした。お互いの話をしっかり聞き合える関係性が築かれる会派でした。

そのため、とても充実した環境の中で、自分の思いや問題意識を妥協することなく、のびのびと活動させていただくことができました。お二人と一緒に会派を組めたことは、私にとって大きな支えとなり、議会での活力でもありました。なので、会派に所属していたことが嫌だったという思いはまったくありません。むしろ、一人で活動するよりも協力し合える場面が多く、本当に助けられた経験のほうが多かったと感じています。

ただ一方で、議会全体を見渡したとき、徐々にある違和感を覚えるようになりました。それは、会派に属さない議員の存在の扱いについてです。


なぜ「会派あしやしみんのこえ」を解散したのか

 

何のやりづらさも問題もなかった会派に所属していた私ですが、本来であれば、2期目に入る際も、これまでと同じ会派名でそのまま活動を続けるという選択肢もありました。しかし、そうしなかった理由は、決して仲が拗れたわけではありません。むしろ関係性は良好だったし、議会内で数少ない信頼して相談できる頼れる存在でした。

それとは別に、こうした慣例の中に身を置き続けながら、抱えた違和感に対する改革を求めていくことが、市民派議員を名乗るにあたり、説明のつく自分自身のあり方として本当にこれで良いのかという思いがありました。

「会派に属さない議員になる」という考えを同会派のお二人に伝えたとき、先輩議員は次2期目の私たちの今後をとても心配してくださいました。ご自身がかつて「会派に属さない議員」で、議会内で閉鎖的な思いをし、多くの苦労を経験されてきたからこそ、「二人はまだその道を選ばなくてもいい」という親心からの助言でした。2期目をどうスタートするかは、3人で時間をかけて真剣に話し合いを重ねました。

結果的に、今の制度のままでは会派に属していないと、様々な面で議会改革へのハードルが高くなり、意見を形にしていく難しさがあるという判断から、他会派とのパイプ先として会派自体は維持することになりました。

とは言え、市長交代という大きな転換点もあり、これまでの会派のイメージを心機一転する必要性も感じ、名称を「芦屋しみんの未来」にし、 2名体制で再スタートすることになりました。この体制は先輩議員からの提言でした。前期の4年間、共に同じ会派で活動してきたその先輩議員が、「自分は一人の苦労を経験しているからこそ、やっと2期目の2人に同じ思いをさせたくない」と、自ら会派を離れる決断をされたのです。その姿勢には、今でも深い敬意を抱いています。

2人会派になってから、2年ほどが過ぎた頃、先輩議員が体調を崩され、長期療養に入られました。約1年間の療養ののち、残念ながらご逝去されたという突然の知らせを受けました。あまりにも急な出来事で、改めて相談する時間もないまま、その間に私たちは会派を解散し、それぞれの道を歩んでいました。それが現在の「会派に属さない議員」です。

もちろん、これも人間関係が悪くなったという理由ではありません。これまで築いてきた関係への感謝や敬意は変わらず持ち続けています。そのうえで、これからの芦屋市議会の議会運営のあり方を考えたとき、自分自身としてどのような立場で活動していくかを見つめ直し、話し合いの上であえて別の道を選ぶことにしました。

会派は解体し状況は変わりましたが、対立や断絶があったわけではないので、部屋も同じです。これまでと同様に意見も交わしながら、個々の議員としての向き合い方は、今も変わっていません。つまり、私たちの会派に限り、特に、賛否が大きく分かれるような争点があったわけではありません。

ただ、市議会全体の中で、「どんな市議会になってほしいか」を考えた時に、他の議員との個々の関係性をどのように築いていくかを話し合った結果、「会派に属さない議員」という選択に至ったということです。


施政方針を問えない“総括質問”という仕組み

 

ではここから、議会運営の「公平さ」という点で気になってきた場面をいくつかご紹介します。

予算案が提出される3月定例会は、通常の本会議とは異なり、「一般質問」ではなく「総括質問」が行われる点が大きな特徴です。総括質問とは、市長の施政方針に対して、会派代表に限り、片道60分の質問時間が与えられる仕組みで、芦屋市議会では長年この形で運用されてきました。

会派に所属している代表者だけが、会派全体の意見をまとめて質問することになります。つまり、私は現在、会派に所属していないため、総括質問の機会がありません。この点は市議になったころから違和感としてあり、常々、会派制度について立ち止まって考える必要があるのではないかと感じてきました。

議会では会派単位での運営が基本となっていますが、会派に属していない議員も、「市民から直接選ばれた代表」であることに変わりはありません。それにもかかわらず、会派に属さないからと質疑や役職を担う機会が全く設けられていない現状については、改善の余地があるように感じています。

「そろそろ本腰入れて、この仕組み変えませんか?」

例えば、議員一人あたり一定の時間を配分するという考え方であれば、1人10分とした場合、5人会派は50分、3人会派は30分というように、より公平性を意識した方法も考えられるのではないでしょうか。しかし、そうした場合でも、会派に属していない議員の場合、総括質問の機会そのものがないので、代表者が代わりに発言するわけでもなく、結果として持ち時間は「0分」となるわけです。


“同じ人”に票が集まる理由、市民に見えない役選の裏側

 

過去のブログでも触れましたが、委員会や議会運営での重要なポストである役職は、会派に所属している議員が中心となって配置されてきました。また、芦屋市議会では、正副議長が最大会派から選出されるケースが多く、その選出過程も、会派代表間の事前調整によって選出者が決まっているように感じる場面がありました。

表向きには投票という形が取られていますが、特に、立候補も示していないのに、票が一人に集中することが不思議だと思ったことはないでしょうか。これが、会則とは別に、長年の慣例として行われてきたものです。議会を円滑に進めるための事前調整という説明を受けていたため、私も「そういうものなのだ」ということで、これまでは受け止め、投票先の名前もその流れに従ってきました。

役選に関しては、もちろん、議会運営には一定の慣例やバランスが必要であることは理解しています。しかし、本来はもっとまんべんなく、または、「適任かどうか」という観点をもって、個々の資質や姿勢がより重視されてもよいのではないか、と感じてきました。

実際に、「この方に役職に就いてほしい」と思える方がいても、会派に属していないという理由だけで選択肢から外れてしまうという状況にありましたからね。極端に言えば、議員個人の発言力とは別に、どの会派に属しているか、あるいは多数派かどうかによって質疑の機会や、議会での扱いに差が生まれてしまう構造がずっと続いています。

ただ、仮にこうした会派間の事前調整をなくしたとしても、自分の会派が正副議長を担うことで議会運営上有利になるという構造自体は変わらないため、会派の人数が多いほど、結果として票の流れが大きく変わらない可能性もあるのではないかと思います。無記名投票という形式ではありますが、実際にはそれぞれ属する会派の存在が影響し、結果が決まっていくのが現実なのかもしれません。

では、その中で何をどう変えていけるのか。現実的に考えるほど、これは単純な制度の問題だけではなく、人間性も含めた難しいテーマだと感じています。


議員一人ひとりの声が活きてこそ、本当の民意

 

極端な言い方をすれば、議員個人の力量とは別に、会派に所属するだけで、さらにその会派が多数派かどうかによって、議会内の活動に大きな差が生まれてしまう構造とも言えます。これは、個々の議員の資質や努力とは異なる要素によって議会内での役割が左右される可能性があり、これが本当に二元代表制を任された議員の役目として、市民のための議会になっているのか検討する余地があるのではないかと、かねてから疑問を抱いていたところです。

もちろん、会派と同じ時間配分を求めているわけではありません。人数割的に配分することで、無所属の時間は、1人分の短時間であっても、市民から寄せられた疑問を整理して問う機会があるだけでも、議会の議論の幅は大きく変わるはずです。時間の長短ではなく、「機会そのもの」が存在することが重要ではないでしょうか。とう考え方です。

これまでも私は、ブログなどで繰り返しお伝えしてきましたが、「議員個人の声」が公平に議会の中で活かされている仕組みになっているのか、改めて考える必要があると感じています。現状では、会派に所属していない場合、意見を述べる場が限られてしまう側面が多いにあります。

会派に所属していても、個々の意見が会派の中に吸収されてしまい、個人としての思いや活動が十分に表では伝わりにくいと感じることがあります。それぞれの活躍の場が、必ずしも平等とは言えないように見えることもあるからです。そういう意味では、一人で活動する場合は、すべての発言が自分自身の責任として、そのまま表に出ることになりますね。

改革を進めるうえでは、制度の当事者としての意識を持つことも大切です。つまり、私はあえて会派に属さないという選択をしていますが、その立場だからこそ見える課題や、多角的な視点からの問題提起を続けていきたいです。

政党や会派の有無によって、個々の意見の尊重に差が生まれない議会へ。市民お一人おひとりの声を少しでも取りこぼさないために、これからもこの考えで取り組んでいきます。

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芦屋市議会議員

たかおか 知子TOMOKO TAKAOKA

第二子を出産すると同時に芦屋へ移住。
町内の課題に向き合い、初代自治会長として3 年間活動。
その後も地域の課題解決に取り組み、南芦屋浜地区会長、芦屋市自治会連合会副会長を兼任。
2019年、未就学児を育てながら無所属で市議選に初出馬・初当選。
子育て・まちづくり・教育・防災を軸に活動を広げ、2023 年に再選。
「地方議会から政治を変える」を掲げ、完全無所属・支援団体なしで挑み続ける、芦屋市議会議員2 期目。

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