調査特別委員会の内容
【9回目】令和3年6月8日
上記の調査資料を元にJR芦屋駅南地区における街路事業の検証について説明がありました。
令和3年第2回定例会より「JR芦屋駅南地区再開発事業調査特別委員会」の委員として、同会派の中村亮介議員に変わり、たかおか知子が委員として加わることになりました。
調査の内容は、2名の議員から提出者された修正案に賛成した議員側から、再検証の要求があった「街路事業について」「事業費の検証」「自治体の政策変更による損害賠償請求事件との比較」を調査した結果の報告でした。
街路事業の検証まとめ
「街路事業」を用い、現道拡幅のみで駅前整備を行う場合について検証されました。街路事業とは、道路や駅前広場を整備するために、必要な用地のみを買収して整備する事業のことです。
本地区における交通課題の解決のためには「交通安全性の確保」と「交通結節機能の強化」の2つの事項 を達成する必要があります。 複数の交通手段をつなぐ場所の事を「交通結節点」といいますが、JR芦屋駅南地区では、交通量調査の結果に基づき算定した結果、下記の交 通結節点としての機能を持った施設を整備する必要があります。
整備案検討の調査結果の詳細は「JR芦屋駅南地区再開発事業について」の調査資料の中にあります。
上記より、現道を拡幅整備するだけでは本地区の交通課題の解決はできないという結果が示されました。一方、現計画にあるロータリーで駅前整備を行う場合は、将来的にバスの運行経路が変更したとしても柔軟に対応することができ、交通結節機能として優れているということです。
街路事業の検証結果ですが、資料説明によると、街路事業は本地区の整備手法としては採用できないという結論を、行政側が明確に指し出すことになりました。
事業費の推移まとめ
令和3年5月の縮減案修正時点では、平成30年2月の事業計画と比べ、事情が変わったところがありました。主に次の3つです。
このように3つの実情があるという前提で、下記のグラフを見て私が注目したのは『実質市負担額』です。
予算が最初に否決された令和2年3月時点では、国庫補助が満額想定でもらえる予定でしたので、市負担額は約96億8千万円です。それ以後は、順調に予算を執行できていない今の状況を考え、国庫補助金の内示率が7割想定になったと仮定すると、グラフでは縮減案を出した令和3年5月の時点で、市負担額は99億円となっています。
つまり、これは想定の話ですが、1年以上議会が反発をして予算を否決し続け、コストの削減できたとしても、もらえる補助金が減ることが原因で、市の負担額が3億円増えてしまうという分析の結果になります。
令和2年3月の議会で予算が否決になった際、反対の議員は、市の負担額が増えたということを問題視していました。そのことが発端となり、コストの削減が必要なのではないかという指摘の上、計画の見直しをすることになったのです。こんなことでは、縮減案のように公益施設を小さくし、地下駐車場をなくすなど、事業規模を縮小して事業費を削減する必要が何のためにあるのかという意味がなくなってきます。
近隣自治体の市街地再開発事業との比較
事業計画変更があった近隣自治体の内容と、芦屋市のJR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業の事業計画を比較した場合の調査報告がありました。この結果を見る限り、芦屋市の事業計画と近隣自治体の状況は大きく違っていたということが理解できました。
以上、調査特別委員会の委員として参加していた私ですがこんな風に感じていました。「安かろう、悪かろう」という言葉がありますが、調査結果が示す事業費の推移をたどるのであれば、まさにこの言葉が当てはまるのではないかと、とても残念な印象を受けた委員会でした。
👉議会中継『JR芦屋駅南地区再開発事業調査特別委員会(6月8日)』
👉会議録『JR芦屋駅南地区再開発事業調査特別委員会(6月8日)』