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「ドアノブ効果」で本当に言いたいことは最後にでてくるもの – 新人議員の本音NO.32


文章を都合よく読み取ってはいけない

 

私たち議員に大切なことは、市民の皆さんの気持ちを理解するということではないでしょうか。何より当事者の思いに寄り添い、その目線にたって物事を判断する力が必要だと考えているからです。もちろん、議員だけでなく行政にとっても同じことだと思います。「市民の思いをちゃんと汲みとる努力をすること」を先にしなければいけないと感じています。

議員は、よく文面でのやりとりで市民の方のお言葉を受け取ることがあります。大事に扱わないといけないのが意見書や要望書、陳情や請願などです。行政間や議員間での議案書もそうですが、最近の議会での質疑を聞いていると、その書面に書かれている内容よりも、国語力的な言葉の解釈で意見をされていると感じる場面が多く目立っていました。
 
人それぞれの感じ方の違いはあっても、文章の言い回しや言葉の切り取りで主旨を判断してはいけないと私は感じています。同じ文章でも人のとり方が様々なのは、先に自分の感情がくるので当たり前に起こることかと思います。ただ、それを書いた人たちの思いは一つしかないはずです。
 
私が注目したいのは、それをどう処理するかの前に、その人がどういう気持でこれを書いているのかということや、その目的を理解することが最も議員の技量には必要なのではないかということです。受け取り手が、勝手な解釈で物事を捉えて決めれるのならば、誰だって自分の都合の良いとり方をしたいと思うはずですし、面倒なことはしたくないと思うのが正直な人間の感情だと思うので、これは仕方がないことかもしれません。
 
ただ、大勢の人の意見を担う役職を持っている立場の人はそんな判断をしていてはいけません。議員という職務にある人であれば尚更、支持してくださる多くの市民の方の意見を代弁する立場というのを常に意識しないといけないからです。だから、私は文章は何度も読み込むようにしています。嬉しいお手紙やメッセージは特に何度も読み返したくなります。また、自分の文章も読み返しては書き直すことも多いです。
 
状況によって読み返すとその時々で自分の捉え方も変わってきます。最初に読む時は必ず自分の思い込みが先に入りがちになりながら読んでいることが多いので、後から読み返してみると「そういうことだったのか!」と判明することがよくあります。
 

聞きたいことは一番あとで出てくる

 
「ドアノブ効果」という言葉を知りました。本当に言いたいことは最後の言葉にありと言うお話だそうです。
 
大切なことであればあるほど、なかなか口に出せないことってありませんか?カンセラーの方によると、相手が本当に話したいことを知るコツがあるそうです。特に、自分より相手をたてないといけない関係性の場合、本題の話しをしにくいことがわかります。
 
【例えば】
 ・部下と上司
 ・店員とお客様
 ・営業マンとクライアント
 ・市職員と市民
 
そう言う意味では、市職員にとっての議員もそれが強く現れてしまう関係性があると言えますね。こんな関係があると、なかなか言いたいことを口に出せません。このように、自分にとっては伝えたい大切なことだけど、口に出しにくい内容ほど、最後になってしまう現象のことをカウンセリングでは「ドアノブ効果」と呼ぶそうです。
 
ドアノブ効果とは、カウンセリングが終わり、カウンセリングに来られた方(クライアント)が部屋を出て行かれるときに、ドアのノブに手をかけて何気なく伝える「一言の効果」をさすらしく、この最後の言葉には次のような内容が含まれているようです。
 
・最後まで口に出せなかっただけの理由、心の中に引っかかるものがある。
 
・結局は口に出さずにはいられなかった、どうしても話したかったから。
 
この内容を取り上げることで、その後のカウンセリング(クライアントの問題解決)が順調に進むことが多く、つまり、ドアノブ効果を意識するとは、相手の最後の言葉を意識することで、相手の本音や最も語りたかったことを理解しやすくなるそうです。
 
最後の一言に注目して、何を伝えようとしているかということを大切に、相手の思いを読み解いてみるのもひとつの方法かもしれません。なんとなく、日本人らしい相手に遠慮や気遣いをしすぎた言い回しのようですが、本当は強く期待しているものがあるけれど、前者で相手に遠慮し、実は本音は後者にあるというような、文章にもそれが現れているのかもしれません。
 
次のような文面があったとします。
 
・積極的に嘘を明らかにすることを求めていませんが、そちらが事実確認をするなら別に構いません。
 
・こちらは謝罪を求めているわけではありません。謝ってもらっても事実起こったことは消えないからです。
 
これをもらった加害者であれば、都合よく言葉を読み取りたいとなるのではないでしょうか。つまり、「積極的に公にすることを要望していない」のだから、これ以上こちらは何もしなくていいと解釈したり、「謝罪を求めていないと言っている」だからこちらが何かすることを相手が望んでいないと解釈するみたいな例えです。
 
でも、常識的に考えて、相手が望まないからやらないとかの前に、自分が悪いことをしていたということであれば、誠意というのもを見せるのが当然のなりゆきなのではないでしょうか。
 
「ごめん」って言わなくていいらしいから「言わない」とか、相手は明らかにすることを求めていいないらしいから「事実の確認をしなくていい」と言うのは、第三者からみて受け取り手の都合の良い話だと思ってしまいます。間違いがあるのならばそれを公に正していくことは大事なことだと私は思います。
 

とはいえ、他人の気持ちをより近くに汲み取るって本当に難しいことだと思いますが、その力を少しでもつけていけるよう努力は続けてまいります!

 

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芦屋市議会議員

たかおか 知子TOMOKO TAKAOKA

Mokosoft株式会社を設⽴し代表取締役に。第⼆⼦を出産と同時に芦屋へ。
町内の課題にぶつかり、初代⾃治会⻑になることを決意し3年間務める。
地域での課題解決を⽬指し、⾃治会ブロックの南芦屋浜地区会⻑を兼任し
市内全域へ活動範囲が広がり、芦屋市⾃治会連合会の副会⻑も兼任する。
2019年芦屋市議会選挙に無所属で出⾺し当選。芦屋市議会議員の1期⽬。

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