見ているより、参加する方がずっと楽しい
今年で4回目となる、ヤーンボミングの活動に参加しました。
この取り組みは、グリーンアドバイザーとして活動されている住民の方の発案から始まりました。今年は、編み物の段階からの挑戦に声をかけてもらい、事前に毛糸を預かっていました。飾り付けの当日は親子で参加させてもらいました。
■ 作品づくりから広がる輪
ヤーンボミングとは、街の木やベンチ、電柱などの公共物を、毛糸で編んだ作品で覆うストリートアートのことです。編み物ならではの遊び心と温かさ、そして彩りを、まちの風景に添えてくれます。
今年は私自身も、作品づくりをするにあたり、仕上がりの量に自信がなかったので、裁縫の上手な友人にも声をかけることにしました。毛糸を受け取ってからの、その手際のいい早さと綺麗さにびっくりです。素敵なデザインが続々と集まっていきました。
■ 手仕事がつなぐ世代の記憶
また、友人からの呼びかけをきっかけに、わかばこども食堂の皆さんにもお声がけいただき、準備期間が短かったにもかかわらず、先輩世代の方々を中心に、多くの「編み手」の皆さんが集まってくださいました。主催者のはからいで、「わかばこども食堂さんつながりの編み手さん」の作品として、3本の木の飾り付けが完成しました。
作品を持ってきてくださったご婦人が、「昔は、家庭でみんな教わったものよ」と話してくださったのが印象的でした。手を動かし始めると、昔の記憶とともに自然と感覚がよみがえり、編み物をする機会ができて良かった、とも話してくださいました。
■ 会場に広がる、温かい景色
私は飾り付けに夢中になっていました。
色とりどりの編み物が集まり、会場にはとても温かく、楽しい景色が広がっていました。使用した毛糸は、芦屋市社会福祉協議会からご寄付でいただいたものを分けていただいたそうです。こうしたところでも、さまざまなボランティアの活動を支える支援が、つながっていることを感じました。
■ 子どもたちにも広がる楽しさ
私は時間の都合で、作品は一つしか作れませんでしたが、当日の会場では、子どもたちが楽しそうに毛糸をつなげる作業をしていました。どうやら、かぎ編みの楽しさに気づいた様子で、「楽しい〜」とこちらも夢中でやっているようでした。
■ みんなでつなげる、景観の彩り
各木はそれぞれ色分けされており、クリスマスバージョンの木や、今年は「みゃくみゃくカラー」の木もありました。毛糸作品のみゃくみゃくもどこかに隠れているそうなので、ぜひ探してみてると楽しいですよ。
同じ目標を持ち、みんなで作品を持ち寄り、一つの飾り付けを完成させていく。その過程を共有できたこと自体が、とても良い時間だったと感じています。地域の皆さんの力でつくられたまちの彩り、心も温かくなる活動に参加できて良かったです。ご協力くださった皆さん、ありがとうございました。
なお、ヤーンボミングの飾り付けは、年明けの2026年1月中旬ごろまで展示されているとのことです。お近くに来られた際は、ぜひ足を止めてご覧いただきたいです。
好きなことや得意なことを、地域の活動に生かす
総じて感じたのは、高齢者の方々が昔の記憶をたどるように手を動かし、自然と笑顔になっていく姿の尊さでした。編み物は、単なる作業ではなく、かつて家庭や暮らしの中にあった時間や感覚を呼び起こすきっかけにもなっているように感じます。また、ガーデンや公園といった屋外の空間を活用することで、無理なく体を動かし、自然と触れ合えることも大きな魅力です。土や木、季節の空気に触れながら行う活動は、心身のリフレッシュにつながり、参加するハードルも下げてくれます。
イベントを通じて、一人ひとりがつくった編み物を持ち寄り、町の風景を完成させるという目標のもと、ある人は編み物の記憶を思い出し、ある人は新たな楽しみと出会う。一つの作品を通して、人と人がゆるやかにつながっていく。そんな時間が地域の中にあることがとても豊かで、これからの居場所づくりの大切なヒントになると感じました。
こうした取り組みは、「できる人が、できるときに、できることを持ち寄る場」だからこそ、世代を超えた関わりが生まれ、無理なく続いていくのだと思います。「好きなことや得意なことを、地域の活動に生かす」これは、私自身が日頃から大切にしている考え方のひとつであり、その考え方を軸に、こうした取り組みが少しずつでも広がっていくことを目指しています。













