内部委員によるハラスメント調査
令和2年6月16日の本会議の一般質問があった次の日に、神戸新聞に「頻繁に激しい叱責により、心身の不調を来す職員も複数いた」という記事がでました。
その記事には、議員が一般質問で取り上げていた『パワハラの調査を求める「依頼書」について』の発言内容と同じことが書かれてありました。この新聞報道を受けて、市は、芦屋市ハラスメント調査委員会を設置し、内部調査が行われることになりました。委員は、外部から弁護士1名が参加し、8名の市の幹部職員と合わせて9名でした。
「芦屋市ハラスメント調査委員会の資料」を公文書公開請求したところ、報告書が公開されてあり、この調査結果で事実確認が明らかとなりました。この報告書は、非公表を前提に行った調査票への回答及びヒアリングの結果を基に作成されているものです。
報告書の中身を見ていくと、一般質問の内容及び新聞記事の内容と、実際の調査の結果に相違があることがわかりました。
「依頼書」と「申出書」の呼び方が異なる
[芦屋市ハラスメント調査委員会の報告書より]
●令和元年8月9日付け申出書の提出、■課の職員8名が、令和元年8月9日、人事課長に対して、申出書を提出した。[1項]
<<たかおか知子の見解>>
一般質問の議員の発言では「依頼書」という言い方をされており、神戸新聞にも「依頼書」と記載がありました。しかし、この時の議員の発言「10人近い職員がパワハラの調査をしてくださいと同日に提出していた依頼書」というのは、「申出書」と呼ばれるものと同一であるということが判明しました。のちの議会の中でも「依頼書」と発言していた議員からも「双方は、同一の内容のことを指している」とそれを認める発言がありました。
つまり、当該議員は「申出書」という正式名を知らず、8名が連名であったということも確認がとれていなかった中で、パワハラ調査を求めるものが「依頼書」であり「10人近くの職員」と一般質問で発言していたことになります。
また、発言の中では「この依頼書は、言うならば優越的な地位を濫用して、パワハラとも言えるような行為を加える上司である管理職を何とかしてくれという中堅若手職員からの悲痛な嘆願書ではないかと私は考えます。」と自身が想像する考えも述べられていました。
「申出書(依頼書)」と「男性職員の文書」を混同した報道は事実と異なる
[芦屋市ハラスメント調査委員会の報告書より]
●神戸新聞に掲載された「男性職員の文書」については、作成者を特定することが可能な部分が、一定期間、マスキング処理が施されない状態であったため、当該文書を作成した職員を推定することは可能であった。しかしながら、申出書を提出した職員8名及び■課に在籍していた職員(上記8名を除く。退職者を含む)7名の中で、当該文書を「見たことがある」と回答した者が1人もおらず、提出をうけとることができなかった。[13項目]
●一部の報道機関は「申出書」と「男性職員の文書」を混同しており、あたかも「申出書」が提出された8月に、「男性職員の文書」に記載された内容の訴えがあり、市長等がそのことを把握していたかのような報道をしている。しかしながら、調査の結果、この報道は事実と異なっていることが判明した。 [20項,21項]
●「申出書」は時間外勤務申請を却下されたことに関するものであり、「男性職員の文書」に記載された内容に言及するものではない。芦屋市役所内において、令和2年6月17日に報道がされるまで、「男性職員の文書」の存在及びその記載内容は、把握されていない。[21項]
<<たかおか知子の見解>>
つまり、申出書の意図するところは、令和元年8月2日から9日にかけて、担当職員1名が、時間外勤務申請を却下された行為について「これはパワー・ハラスメントにあたるのではないか」ということを、同課の職員の複数人が同席する場で、ヒアリングを行ってほしいということを求めていたことがわかりました。これが事実だとすると、一般質問の中で当該議員が発言していた「依頼書の内容というのは、この苦情処理委員会で審査をしてくれと、そういうことでした。」という話と食い違ってきます。
※この報告書は秘密とされるべき個人情報を除いた公開用のものです。
モコモコ通信ラジオ局で解説
・芦屋市議会ハラスメント防止に向けて[2]
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