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芦屋市議会ハラスメント防止に向けて【#13】議員提出議案の決議文


ハラスメント対応に関する決議文

 

議員提出議案第29号「ハラスメント対応に関する決議」として、 下記の議案のとおり会議規則第13条第2項の規定により提出されました。 この議案は令和4年3月第一回定例会で採決が行われました。

正副議長から提案され、全会一致を求めるものでしたが、私は賛成せずに提出者に対し質疑と討論をいたしました。議会全体として決議することに対しては反対ではありませんでしたが、決議文の内容や背景から不誠実な点を多く感じる決議文だったからです。結果的に、私の会派のみ提出者には記名しませんでした。

 
 

提出者へ会派3名からの質疑まとめ

 
【質疑1】
決議文には「令和2年6月の一般質問でハラスメント事案について取り上げた議員に不適切なところがあった」とあるが、令和2年6月の一般質問でハラスメント事案を取り上げた議員は一人しかおらず、大塚のぶお議員である。このことは既に議事録にも載っており、報道でも公になり、議員自らもそのことをSNSやビラなどで、既に市民に伝えていた。このことは公になっている事実であり非公開になっておらず隠されていないこと。その上での質問3つ。
 

「令和2年6月の一般質問でハラスメント事案について取り上げた議員」とは、議事録でも公になっているとおり、大塚のぶお議員のことを指していることに間違いないのか?

決議をする上でことの経緯・経過はとても大切で大事なところであると考えるが、何故議事録等でも公にわかっている議員名が記載されていないのか?

決議文の経緯・経過の記載に議員名が書かれていないということであれば、市民やマスコミにその議員が誰であるかを聞かれた際に、我々議員はその当事者である議員名は伏せなければいけないのか?

 
【質疑2】
決議文を提出するということは、その前に何らかの検証が行われ、反省する点が見つかり、処分を決定するというながれが一般的なように思える。そして、決議文には「当事者の同意を得ていなかったことを我々議員に謝罪」との記載があり、また、「一部職員の気持ちを傷つけてしまった」とも書かれている。そのことについての質問3つ。
 

決議文にある当事者である議員が誤った言動を行っており、反省する点があったということで間違いないのか?

この決議文でいうところの謝罪は、議員間だけの話しなのでしょうか?誰が誰に対する謝罪なのかを確認する。

決議文の当事者である議員は、傷つけてしまった職員に対する直接の謝罪はなされたのか?

 
【質疑3】
決議文に「結果として職員の職務の執行に支障をきたし、組織や市政の信頼に大きな影響を与えてしまい」とあることについての質問2つ
 
ハラスメントに関して、行政側は、減給処分や、市長は問責決議を受けている。これまで議会は行政に対して強く反省を求めてきてた。一方、令和2年6月の一般質問でハラスメント事案を取り上げ、散々組織や市政に迷惑をかけてきた当該議員は、この決議文をもっておとがめなしと考えているのか? また、行政側と当該議員のこの取り扱いの差についてどのように考えているか?

決議文の内容から市政に対する信頼に大きな影響を与えてしまったとある。決議文可決後も市政の信頼回復が必要だと考えるが、このことについて現時点でどのように考えているのか?
 

●質疑1〜3に対する提出者の答弁まとめ

・議員の個人名は、この決議は本議会でのハラスメント事案の取上げ方について不適切なことがあったことを踏まえ、議会で再び同じ過ちを起こさないように全議員の決意を示すものである。
 
・発端となった不適切なことを行った議員に該当するのは1人しかいないということで、既にこの質疑の場で名前を挙げているとおりわかること。議員各自が話す中では実名を出すことは自由だが、この決議文の中には必要ないものということで入れていない。
 
・決議イコール処分のことをうたっているものではなく「反省する点があったのか?」については、間違いないことであり、その経緯・経過もこの決議文の中には書いているつもりだ。
 
・誰が誰に謝罪をしているのかに関しては、この決議文の内容には関係のないことであり計り知れないと捉えており、この決議文でもっておとがめなしなのか、これ以上はないのかということに関しても、この決議文には関係のないことだと思っている。
 
・決議文の中に「不適切にハラスメント事案を取り上げた議員は大いに反省しなければなりません。」と一歩踏み込んだことまで明記しているため、その中で表現できていると考えている。
 
・行政側のハラスメント処分との差につては、根本的に決議文と関係ないこと。問題が起こったことに対する処分についての決議ではないものと、起こったことに対する行政が行った処分との差を比べるものではないと考える。

・これで終わりなわけではない。この決議文の中にあるようにこれがスタートであり、我々議員が行政、また市民の皆さんの信頼を損なわないようにこれから進んでいくために、この決議文を第一に個人も反省しないといけない。いろいろなことを変えていかないといけない。その第一歩であり、これで全部終わりましたというつもりはない。しっかりと行動等を規範でもって返していきたいと考えている。
 

【質疑4】

決議文には、令和2年6月の一般質問でハラスメント事案について取り上げた議員に不適切なところがあったとあるが、当事者である議員の実名を決議文に載せていないことについて確認する。本市議会においては、過去に事件等があり、市政に対する市民からの信頼が失墜しかねないような事態の場合、議会全体として反省の意思を見せる決議文では、事案の経緯・経過の説明において、問題を起こした当事者である議員の個人名を記載されていたケースもあったが、今回の件では、なぜ過去の前例とは違い、決議文で名前を示さなかったか?
 
【質疑5】
当事者である議員の反省なくして、今回の決議文のような問題の本質的な解決や再発防止にはつながっていかないのではないかと少し不安である。議員間だけで謝罪や説明を行い、職員には直接の謝罪がない段階で、決議文を先に出しているのであれば、少し順番が違うのではないかと思っており、決議文の内容を市民にはどのように伝え、説明していくのか?
 
【質疑6】
この決議文を次の議会広報誌でしっかりと取り上げ、市民に幅広く伝えていくのか
 
【質疑7】
漏らしてはいけない情報を外部へ漏えいしたこと、事実とは異なる内容が議員によって公にされていれば、大変由々しい事態だと考える。当該事案を一般質問で取り上げることについて当事者の同意を得られていなかったことについて、当事者である議員が謝罪したとあるが、謝罪をされたということは、決議文のとおり、当事者は一般質問で取り上げることを望んでいなかったということで間違いないのか?
 
【質疑8】
決議文のハラスメント事案を取り扱う上で留意する点として挙げられている項目は、反省しなければいけない事例があったことにより、再発防止のためにつくられたものであると理解しており、当該事例と留意点の関連性について確認する。決議文4段落目、「ハラスメント事案の対応に当たっては次のことに留意します。」の留意事項1で、「ハラスメント事案は、相談者が何を求めているかを確認して対応しなければならない。」とあるが、令和2年6月の一般質問で、ハラスメント事案を取り上げた議員の発言内容は、事実確認をしていなかったものである。当事者である議員のハラスメント事案に関する過去の発言内容や個人としての発言内容に、訂正しなければいけないものがあれば、議事録の訂正等について必要ではないのか?
 
【質疑9】
留意事項の1から4までは、令和2年6月の一般質問でハラスメント事案について取り上げた議員に不適切なところがあったことから、今後、気をつけなければいけないこととして示されたものであるいうことを明確にしておきたい。
 
【質疑10】
留意事項4で「ハラスメント事案は、相談者の意思を確認せず、よかれと思いその同意を得ずに先走った対応をしてはならない。」とある。  そこで、令和2年6月の一般質問で当事者である議員は、相談者の意思を確認していないにもかかわらず、相談者の意思を代弁するかのような発言をしていたが、そのことは留意事項の4に表現されているということを確認する。
 

●質疑4〜10に対する提出者の答弁まとめ

・今までの前例を継ぐ決議文ではなく、ハラスメントということに対して初めての立場で考えた文章である中での表現。
 
・市民にどのように伝えていくのかについては、決議文は公の文書になり、我々議員全体がしっかりと改めなければいけないという内容の決議である。指針とともに市民の方に広まって当然のことと。議会報でも特集として取り上げるつもり。
 
・望んでいたのか望んでいなかったのかということに関しては、この決議文の中で検証する内容ではないため、答えられない。
 
・質疑8・9・10は、指針の内容に関してのことが含まれていると捉えており、指針の内容は、代表者会議、その他、全体協議会で詰めてきた。ここで議論する話ではないと考えている答える必要はない。

・個人名について、隠すという意図は全く持ち合わせていない。おりません。その個人がやったことに対して、隠し切れないところもあるが、それを求めて何かをするというのは、この決議文ではない。

・この問題を何も終わらせるとかで考えてつくった決議ではない。市長の問責決議のときに、提出者が「議会で同じ状況が起こったときには同じく責任を問われる」というふうに当時答弁をしていた。処分のことは、今回のこの決議とは違うため、個人の責任を問わないといけない場合は、また違う形で決議をしなければいけないものと考える。
 
・決議文の 4 段落目「芦屋市議会議員は、ハラスメント事案の対応に当たっては次のことに留意します。」の留意事項4項目は、令和 2 年 6 月の一般質問でハラスメント事案について取り上げた議員に、不適切なところがあったため反省すべき内容を今後議会として起こさないために決議するということ。
 
・議会として決議文を提出する原因となったハラスメント事案が、いつ、どの議員が取り扱った事柄を起因としている。そして、当事者の同意が得られていないにも関わらず取り扱ってしまい、市政や市職員に対する市民の信頼を毀損させてしまうこととなった言動を反省し、議会全体として改めなければいけなくなった。
 

【質疑11】
被害を受けた職員に対する謝罪や、市民への間違った情報発信の訂正も行い正確な情報を議会として改めて出すべきだと考えるが、決議文はそのことについては触れられていない。そのことに関連する質問を3つ。
 
① 決議文の中の「令和2年6月の一般質問で議員が不適切な取り上げ方をしたハラスメント事案」のことにについて、内部調査書には「申出書」と「男性職員の文書」が別のものであるにもかかわらず、混同された報道がされているので、両者を整理すること、及び正確な情報を公表すべきであることを指摘している。しかし、未だにそれらの正しい情報は公表されていません。」とこんな風に書かれている。このハラスメント事案に関することを取り扱った大塚のぶお議員は、ここに書かれている報道と同様に、明らかに事実とは異なることを混同して一般質問で発言をしていた。当事者の同意を得ずに事実確認していなかった結果が招いたことだと言える。ハラスメント事案の取り扱いに対し、4項目の留意点に反することをしていたがためにそのことが原因で、間違った情報が広まったのであれば、順序として決議文の前にその事実を検証するのが先である。しかし、議会としてこのことが検証されておらず、何が間違っていたのかの訂正内容の有無についても公表がされていないのは何故なのか?
 
② 不適切にハラスメント事案を取り上げた当事者である議員の処分は、決議文とは別に切り分けて考えるとなれば、議員倫理を審査会で問うことになる。しかし、当該ハラスメント事案では当事者である議員に対してはすでに、問責決議が令和3年10月に提出され議論が行われた。この時の問責決議の内容は以下のことが問われていた。
 
  • 本来は公にされるべきではない個別のハラスメント事案について、そのことを公にする場合は、前提として、特に被害者の同意を得ておく必要があるにもかかわらず、その議員はできていなかったこと。
  • その行為により職員の気持ちを傷つけてしまっていたこと。
  • そのことが原因で誤った情報が広まり、市があらぬ汚名を着せられてしまったこと。
 
これらのことを総合的に判断した結果、反省しないといけないことではないかと議会に理解を求めていたものだった。今回の決議文と同じ令和2年6月の一般質問でハラスメント事案を取り上げていた議員に不適切なところがあったことから取り上げられたものであり、ここで反省点として指摘されている点ともほぼ同じ内容のものだった。しかしながら令和3年10月の問責決議では、反対議員多数ですでに否決となっている。この取り扱いの差はどのように理解すればよいのか?
 
問責決議の際、当事者となった議員は、自分の行いに誤りはなかったと発言しており、当事者の同意を得ていなかったことも認めていなかった。しかし、決議文では、当事者の同意を得ていなかったことを謝罪したと記載されてることは、当事者の同意を得ていなかったにもかかわらずハラスメント事案について不適切な取り扱いを行ったことを猛省しなければいけない事であると認めているも同然。問責決議の時に、謝罪すべきことを正直に話さずに隠し、間違った情報を述べたことにより、問責決議の賛否にも大きな影響を与えたことは明白である。当該議員の処分について一度責任は問わないとの判断が議会で下されていることになるが、今回の決議文が令和3年10月の問責決議に対して与える影響に関してとのように考えているのか?
謝罪し広く市民に当該議員から謝罪していただくか、問責決議の内容を検証し不適切な箇所を訂正していただかなければいけないと考えますがいかがでしょうか?
 
【質疑12】
決議文には「不適切にハラスメント事案を取り上げた議員は大いに反省し」とあることについて尋ねる。「大塚議員に対する問責決議」の質疑の中では、当該議員の行いは功績であるとたたえる議員もいた。他にもこの事案を一般質問で取り上げたおかげでハラスメント問題が解決したと答弁していた議員も数名いた。不適切なところがあったと判明した議員のことをたたえていたということは、そのように発言をした議員もまた、この決議文の「大いに反省し」のところにあたるのか?
 
【質疑13】
今回の決議文は、議会として「令和2年6月の一般質問でハラスメント事案について取り上げた議員」に不適切なところがあったことについての一定の区切りになるものと思われるが、決議文は決議文でのことにより、当該議員の過去の過ちが無くなるわけではない。我々議会としても不適切にハラスメント事案を取り扱った議員が起こした事実に対する責任についても、我々議会が厳しく見守り身を引き締めなおさなければいけないと考えているのか。
 

●質疑11〜13に対する提出者の答弁まとめ

・議会で取り上げてきたことに関する検証の有無は議会全体で行ってきている。どのようにこの決議文に反映されたかというのとは全く別問題である。提出者の一人として、ここで答える必要はない。

・問責との差について、この決議文というのは、一歩踏み込んで今まであったことに触れていると思う。その中で、当該議員も我々議会全体も、ちゃんと反省して次に進まないといけないということを明確に示していると考えるもの。

・前回の問責の後、謝罪がなかったというのは個人の問題であり、我々提出者がどうこう言うものではないが、この決議文の中にも明確に書いているとおり、大いに反省しなければならない。その後のことは本人の行動でもって示されるものと考える。
・発言の訂正のことについて、本来、公で扱われるはずのない個別案件を、当事者の了解を得ずに発言を繰り返していたことですので、訂正箇所もあろうかと思う。なかったことにはできないので、どのように取り扱うかというのは、議会の中でしっかりと議論をしていくことが大事。
 

<<たかおか知子の見解>>

この後、私は討論に立ちました。すべてはそこで私が感じた思いをお伝えしています。
 
 
👇これまでのあらすじまとめ👇

 

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たかおか 知子TOMOKO TAKAOKA

Mokosoft株式会社を設⽴し代表取締役に。第⼆⼦を出産と同時に芦屋へ。
町内の課題にぶつかり、初代⾃治会⻑になることを決意し3年間務める。
地域での課題解決を⽬指し、⾃治会ブロックの南芦屋浜地区会⻑を兼任し
市内全域へ活動範囲が広がり、芦屋市⾃治会連合会の副会⻑も兼任する。
2019年芦屋市議会選挙に無所属で出⾺し当選。芦屋市議会議員の1期⽬。

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