ようやく言える議会の中での私の真相
ハラスメントの申入れを市と議会に求めていました。私に関係する一連のハラスメント事案について、第三者による調査が始まってしまったので、詳しい内容をお伝えできずにいました。調査が終わってから、私がなぜハラスメントだと感じていたかの経過等をお伝えしようと思っていましたが、議会事務局より先に一方的に新聞報道がなされ、その後議員が私に対して問責決議を提出する事態がおこり、本会議が終わってお伝えすることにしました。本日、「たかおか知子議員に対する問責決議」が提出者によって、議案説明があり、私の方から弁明をさせていただいております。
問責決議の内容はこのようなものでした。ハラスメント認定とならなかったとしても、議会における私へのハラスメントは今でも存在しているという思いは変わりません。議会ではそれが伝わらなかったようです。これが現実であり私も反論しましたが、結果は、ハラスメント認定とはならなかったことで、逆に訴えを起こした側が、議員から責められ犯罪者扱いされたとう結末となりました。やっぱりどこまでいっても議会は議会でした。私が述べた弁明の内容をもって、一連のハラスメント事案についての真相と、議員から突きつけられた問責決議に対する弁明で、市民の皆様へのご報告と返させていただきます。
もちろん、決議文に記されているような「議会の品位と名誉を不当におとしめる意図を明確 に含んでおり。」という、そんな意図する目的でハラスメントの申立てをしていません。これまで招集された会議の中でも、問責決議の弁明でもこのことを強く主張していました。問責決議の結果については下記の議会中継録画よりごらんいただけます。以下、私が弁明した内容に続きます。
ハラスメントと主張していたのはこのこと
濃厚接触者情報の扱いに関して、私と、正副議長及び事務局長の間には、主 張が折り合わないことがいくつかありました。主に、相手方は公共の利益につ いて、私は個人のプライバシーの保護について、双方の主張の価値を考慮しながら、適切な情報開示のバランスを見つける必要が生じていました。 正副議長及び事務局長は、令和4年10月4日に議長室で、私と面談を行った 際、公人が濃厚接触者であることは、一定の公益性があると主張され、同居す る家族のことや待機期間中の行動について、議会事務局側にその情報を開示す る必要があると私に求めました。しかしながら私は、個人のプライバシーに関 わる情報は、開示が不要で、起こった結果が大事だと主張していたのです。
私は、正副議長及び事務局長に対し、情報開示が個人のプライバシーに関わる ことを証明するために、プライベートな人間関係と詳細な経過について打ち明けていました。その結果、理解を示してもらえたことから両者の間に和解が成立していたと安心していました。
ですが、その2日後の10月6日の公式の代表者会議において、私にとっては予想もしていなかったことが起きたのです。その日の私は傍聴者としての立場で、発言は許されない状況でした。そんな中、前回の話し合いで私の説明に 理解を示していたはずの松木議長が、私の行為を、問題のある2 つの事例とし て、出席者に紹介していたのです。更に、議会事務局長の口からは、氏名は明かさないものの、2つの事例が同一人物であることなどが明らかにされました。
それに続き、松木議長は、「非常に遺憾」「議会として調査すべき」などと表明されました。私からすれば、個人の特定と責任追及に繋がるような議事進行であると、感じざるを得ませんでした。ですが、私にとっては事実と異なる話です。しかし、発言権がなかった私は黙って聞いていることしかできない状況でした。また、⻘山副議⻑までもが、前回の話し合いで私に伝えていたことと はまるで違う物言いをされました。それに出席者が賛同している状況を見て、 信頼を裏切られたと感じ、自ら反論したのです。その結果、不規則発言について叱責を受けることとなりました。
そして、同年10月17日に事例について再度協議することが、議⻑の権限により決定しました。私が代表者会議で不規則発言をしたことで出席者の印象が悪くなり、不規則発言のきっかけとなった事例について、議会内で私の言い分を聞いてもらえる機会も与えられませんでした。私がおかられていた立場には2つの仮説が成り立っていました。
この一連の経過が、職務上の地位を背景にしたパワーハラスメントにあたると考えた私は、「芦屋市議会ハラスメント等防止に関する指針」及び「芦屋市ハラスメント防止等に関する規則」にもとづき、コンプライアンス課と議員相談員へ調査の依頼を申入れました。議員相談員から松木議長に対し、 本事例を議会でとりあげないことの要請をしましたが、聞き入れてもらえませんでした。議員相談員を交えての話し合いもできず、予定通り協議会が開かれることになりました。 協議会では不規則発言が問題であるという点ばかり議論され、謝罪を求められました。なぜ私が不規則発言をするに至ったかの理由は一切聞き入れてもらえませんでした。
また同時に、コンプライアンス課の相談員からも、「当該規則は、職員間のパワーハラスメント等の申立てを審査するものであることから、対応することはできない旨」を伝えられました。この2つの状況に直面した私は、いたたまれなくなり、やむなく司法のお力をお借りするため代理人に相談したのです。
現在の制度上では、議員間のハラスメントには何の手当もされないおそれがあると感じ、一連の経過を記者発表しました。そうしたところ、新聞報道のあと、松木議長から「第三者への依頼」を検討するという公文書をいただきました。決議文に「自ら記者会見を開き公表した」とありますが、その経緯は今申し上げたとおりです。
第三者の結果は本質的な調査になっていない
新聞でも報道された内容も正副議長の抜粋
こちらは、ある1社の新聞記事のことだと推察されます。記事には、私が提出した音声データのうち2件について、「市議自身に不利な部分が意図的に削除編集されていた。」と書かれていました。 この文章の「意図的に」という箇所を拡大解釈され、私が正副議長を不当におとしめる意図があったのではないか、という判断をされてしまったようです。
しかしながら、先ほど述べたように自身が不利になるかは客観的に捉えた評価であり、私が意図することではありません。 また、この記事に関する私への取材はなく、市議会事務局が記者会見をした際に提出していた資料を元に、一方的に書かれた記事となっています。記者への 配布資料については、議長権限において報告書の概要を抜粋し、その部分だけが記者に報告されていたとのことです。(第三者である報告者が資料の抜粋に関与していないことは事実です。)
議会の人に家庭内のことは話したくない
ですが 、私が削除編集した理由については、報告者からは聞かれることがないままに、報告書では、「申立人の主張が事実に反する」として、「ハラス メントは存在しないことを確認した旨」を決定づけられていました。
私はこの音声データを提出する際、報告者には秘匿扱いでお願いしていました。ですが、報告者からは、証拠の内容について必要があれば被申立人に開示し、被申立人からの指摘があった場合には、報告書に記載しなければならないということを事前に伝えられていました。そして、調査が完了した後には、証拠データは市に返却されると思っていた私は、新たな場所に証拠が移されることにも懸念していました。
こちらが秘匿にしていても、結局は調査を求めていないプライバシーに関する部分までもが報告書により知れ渡る可能性があることになります。私が抜粋したところは、本来正副議長に対して、話す必要が ないことを主張していたのに、弁明のために、いたしかたなく話をした部分です。「個人のプライバシー保護のための適切な措置を講じるため、情報開示が必要でないことを主張」していたにもかかわらずその内容が、結局公に広まるのは本末転倒であり、これが万が一、会話の一部を切り取られて、政治的利害関係から悪用されかねないリスクもなくしておきたかったのです。そのため音声ファイルの削除編集を行いました。
もう1件の削除編集については、そもそも録音をした時点で、一時停止して取れていなかった部分でした。抜けていた会話は、代表者会議の最後の方で、私が反論した不規則発言のところだけだったため、時系列からも発言の内容事態が認定には関連しないと考え、報告していませんでした。なお、代表者会議は事務局により録音されており、仮に自身の不利になる部分を抜粋していたとしても、事務局の録音データにより容易に発覚する ことです。ハラスメント認定を自分の有利にするために意図的に行った抜粋で はないことがお分かりいただけると思います。
代理人については、資料等を報告者に提出する直前に、代理人が議長室での 会話の編集に気付き、証拠は編集してはいけない、不利になる、元に戻すようになどとの指示を受けて大半を復元しましたが、一部が私の判断で漏れており、 代理人と報告者へ的確に伝えることができておりませんでした。代表者会議の録音漏れについては、重要ではないと考えていたので、同じく代理人にも報告者にも報告していませんでした。
このような経緯で、代理人が録音の削除編集を認識しなかった結果、一部、 実際のやりとりとは異なる申立書の主張となってしまったことで、報告者が私の主張に疑いの目をもつことになったのだと思います。司法に不慣れな私の不注意で、代理人に状況を的確に伝えておらず、迷惑をかけしまったことを深く後悔しています。私が、報告者の認定を自分に有利になるために意図的に削除編集したわけでは、決してないことをおわかり頂きますようお願い申し上げま す。今回のハラスメント事案の検証で、証拠提出に対する私の考えの甘さ、至らなさを痛感しており、大いに反省しています。
私には、これ以上の精神的なダメージを重ねたくない意図の思いはありましたが、被申立人らを不当におとしめる意図も、議会の品位や名誉をおとしめる意図もなかったことはご理解いただきたいと存じます。
個々の 政治的利害関係が発生する環境
公務員の中で特別職という議員は、プライバシー・人権の保護や、守秘義務の保証、処罰における決定など、地方自治法のもとで、議会の中の協議において完結するものであり、その決定権の殆どは正副議長だということです。つまり、人権に関わることですら議員の倫理規定の中で判断を委ねられることになります。その中で、私が政治家である限り、まだ幼い子どもがいる母親として、 また大切な家族や友人、私を支援してくれている方々が傷つき、非難されることだけは避けたいという強い思いがありました。
しかしながら、選挙で戦わなければいけない議員間には、どうしても個々の政治的利害関係が発生する環境にあることは避けられません。私は、当該事案に至るまでの経過の中で、もはや私一人では家族の人権が守れなくなってしまうという危機感を覚える状況におかれていたのです。
そのため正副議長に判断を委ねることはできないと考えた上での措置を講じたに過ぎません。ですから、議会を代表する議長、副議長及び事務局長に対し、私の行動が議会の品位と名誉を不当におとしめる意図はなかったことを申し上げます。
議会はやっぱり議会でしかなかった
私が削除編集した同日の音声データを、青山副議長が個人情報を含むところを所持されていたことが、報告書により発覚した以上は、個人情報保護の観点から、青山副議長が所持していた同データの行方の確認をしなければ私は安心できませんでした。そのため、松木議長に対し、報告書の内容については、申 立て人の疑念が晴れるまで、議会で当該事案の報告会等を取り行わないことを求め、松木議長宛に 3 回申入書を提出しましたが、いずれも聞き入れてもらえませんでした。
会期中に合わせるかのように急いで報告会が行われ、3 月 14 日、 15 日、16 日の 3 日間の連日に渡り招集された会議の中で、私から冒頭で述べたような弁明と反省の意を伝えておりました。しかし、提出者は私への問責決議を提出する判断をくだされたようです。私は、今回、第三者へハラスメント事案の調査をお願いしましたが、その調査をもってしても、相談者が何を求めているかを究明することの難しさを自身の体験から痛感しました。
こんな議会では大切な人を守れない危機感
ハラスメントの申立てをしたことに対し、不利益な取扱いをしてはならないというのが広く通用するルールです。報告者が「ハラスメントは存在しない」と報告をしたという結果をもって、品位と名誉を不当におとしめる意図があったことにはなりませんし、申立てを行ったことに対して不利益を課すことは、相談者が声を上げにくい状況を作る前例を残すことになります。 そして、今、自分がこの問責決議に対する弁明の立場に立たされていることは、 ハラスメントの申立てを行ったことを理由にして、まさに不利益を課されよう としていることにほかなりません。
私が議員間のハラスメントが存在すると感じたのは、少数派の議員が、意見を述べる機会が少ない、仕事上の便宜が与えられないなどの疑問を抱いていた状況が影響しています。このことが議会運営を阻害し、少数派が批判や妨害を受け、多様性を尊重されていないのであれば、議会の理念に反することをなくし、対処するための措置が必要だと考えたからです。
ですが、当該事案が認定されなかったことを受けて、ハラスメントを訴えた当事者への報復ともとれる問責決議が可決することで、ますます少数派の議員が、多数派の 数によって不当な権力を行使されていることの証明になりうる可能性があると感じています。私はすべての議員が公正かつ平等な条件下で活動できることを強く望んでいます。
そしてなにより、私が弁明を決意したのは、これ以上、私や私の家族に対する人権を侵害するような行為はおやめくださいますよう切にお願いするためです。これは議員としてではなく、女性として、母の立場としてこのように申しております。
以上が本会議で私が弁明した内容です。