「通学」について思うこと【3】
登下校の持ち物を負担軽減する
私の独身時代は「毎日の通勤で満員電車嫌だな〜」「長時間立ってるのしんどいな〜」と、こんな風に通勤中は、できるなら座りたいと思っていました。スーパーで買い物をしないといけない時に、「重い荷物をなるべく持って長く歩きたくないな〜」と思うと、「なるべく少量で少しでも近くのスーパーで買い物しようとか。」「自転車や車で行こう。」となります。
大人がそんな風に思うのと同じで、子どもだって「毎日の通学で思い荷物を持って遠い学校まで歩くのしんどいな〜」となるのは当たり前のことだと思います。それでなくても、iPadは重いし、荷物が増えて通学路の悪天候の日は傘もささなければいけないので大変です。そんな姿を見て送り出す保護者の気持ちも複雑ではないでしょうか。
学校が遠いのであれば尚更、せめて荷物の負担を軽減できないかと考え、民生文教常任委員会でも何度か検討を要望してきたつもりです。9月の決算特別委員会民生文教分科会で、図書の本の持ち運びについて質問したことがあります。些細なことであっても、軽減できるのであれば問題点を出すことは必要であると考えます。教育委員会にはまず児童が置かれている心境を知り、受け止めてほしかったのです。
返ってきた答弁は「電子図書もある。」でした。一方で、紙に触れることや本離れを懸念して学校図書の活用を増やしたいと求めていたにもかかわらず、まるで「荷物が重いのなら借りなければいい。」と言われているようでした。本数の少ない電子図書の限られた本の中から、利用すれば良いというような回答を望んでいたわけではありません。
私は方法論の良し悪しについての議論をしていたのではなく、「通学にかかる子どもの持ち物の負担軽減は必要ではないのですか?」ということを問いかけていたのです。通学時間が長い地域に対して学校をつくれない、図書館をつくれない、通学バスは運行しない、と言うのならば、それ以外で何か子どもたちの通学について改善できる策はないかと検討を求めていました。
両手が塞がることもある、小学校における登下校の持ち物の負担軽減については、ひとつの提案であって、大切なのは問題提起に対して、課題であると同じように意識を共にしてもらいたいという事だったのです。
大人世代が当たり前のように受けてきた教育は、現代ならではの学校が抱える諸問題や合理化のなかで変わらざるをえない状況があると思います。学校が変わることはセンシティブな議論を呼ぶことが多いですが、建設的な議論のために、何より子どもたちが置かれている現状を理解することがより大切になると感じています。
近隣市の見直しの状況と今後の対応
登下校時の持ち物については、持ち運ぶ教材の多さが児童によって負担となっているとの意見を多く頂くことがあり、さらに近年学習用パソコンの持ち帰りが加わったことで、さらなる負担増も懸念されているのは事実です。芦屋市では、改善に向けて決まった方針が出されていませんが、近隣市では神戸市が見直しに動き出しているようです。神戸市立小学校の登下校時の持ち物の負担軽減に向けた、見直しの状況と今後の対応について報告がされていました。
1.これまでの取組状況
平成30年以降、これまでの「基本は全て持ち帰る」といった対応ではなく、学校に置いて帰ることができるものは何かを検討した上で、使用の状況に応じて教科書や学用品を置いて帰る等、「児童の負担を考慮した」対応の見直しを行っている。
2.見直しの状況
・家庭学習でよく使用する国語・算数以外の教科書類は、ほとんどを学校に置いて帰っている。
・鍵盤ハーモニカや算数セット等特に持ち運びが負担となる学用品については、全ての学校が置いて帰る対応をとっている。
・学習用パソコンの持ち帰りについては、学年が上がるにつれて、持ち帰り頻度も高くなっている。
・鍵盤ハーモニカや算数セット等特に持ち運びが負担となる学用品については、全ての学校が置いて帰る対応をとっている。
・学習用パソコンの持ち帰りについては、学年が上がるにつれて、持ち帰り頻度も高くなっている。
3.今後の対応
・これまでの「学校に置いて帰ることができる学用品(置き勉)」から、「家庭学習のために持って帰る学用品」へ発想を転換する。
・発想の転換を図る中で、これまでの「置き勉」に代わる新しいキャッチフレーズを児童に考えてもらい、募集する。集まったアイデアの中から、取組に見合った言葉を神戸市全体にも広げていく。
・発想の転換を図る中で、これまでの「置き勉」に代わる新しいキャッチフレーズを児童に考えてもらい、募集する。集まったアイデアの中から、取組に見合った言葉を神戸市全体にも広げていく。
子どもの気持ちに少しでも寄り添うための学校教育の実現にむけて、今後の見直しに注目していきたいと思います。