「通学」について思うこと【1】
南芦屋浜地区の小学校建設に遅れが生じた大きな要因は阪神淡路大震災でした。そして、やっと動き出そうとした時に、3分2の議員が反対の嘆願書を市長に提出したという経緯が起きました。学校の建設を望んでいた教育委員会や行政にとって、不本意に小学校建設を断念しなければいけなかったという立場にあったのかもしれません。その証拠に、以前、小学校建設を推奨していた時は、報告書でこんなことを示していました。
・人口推計は、あくまで推計である。
・南芦屋浜地区として、地域の核となりえる教育施設がないことから、まちづくりの観点から小学校の建設が必要である。
・10年後の単学級になることが見込まれることのみをとって不要と判断するのではなく、将来的につづいていくまちづくりの一貫として必要かどうか。
👉芦屋市ホームページ『平成27年2月_南芦屋浜地区小学校建設に係る 市民意見交換会』より
(1)小学校の成果としては?
→地域の中で子どもたちが見守られながら学び育っていくことで,地域のコミュニテが図られる
(2)少子高齢化、単学級になる懸念については?
→少人数なので子どもによく目が届くようになるといった小規模校のメリットを最大限に生かしていきたい
(3)小学校が建設されない場合の懸念点は?
→あゆみ橋を渡って潮見小学校に通う想定ではない。あゆみ橋については、朝の登校時にはかなり混雑をしており、特に、雨風が強い場合はかなり危険な状況になっている。 ピーク時、南芦屋浜だけで600人ぐらいになる。それだけのお子さんがあゆみ橋を渡ると非常に危ない。
(4)小学校を建設しないと何が必要となる?
→バス通学を検討
→あゆみ橋の過密対策としての拡幅
→潮風大橋の強風対策
→南芦屋浜のコミュニティの核となる変わりの公共施設等を用意
こんな風に、当初は小学校建設の必要性を住民に十分理解してもらうよう働きかけていたのは市の方でした。しかし、この後すぐに行われた中止の説明会では、これまでの意見が一変し、懸念点はなかったことのように伝え、長距離通学に負担がかかる児童についても、デメリットがメリットになるような反対の見解を述べるようになっていました。わずか2ヶ月の間で市の見解がこんなにも180度変わるものでしょうか。
👉芦屋市ホームページ『南芦屋浜地区小学校建設中止についての説明会』より
中止の説明会では、学校新設の代わりにスクールバス通学を検討することまで、市民と約束をしていたということを今でも覚えてらっしゃる市民の方もいます。また、小学校建設の計画を白紙にした議員からも、これを埋め合わせするかのような発言で、「スクルーバスの運行をするべき」ということがしばらくは市民に向けて発信されていました。
弊害が起こっている現状を知らせる
[小学校までの道のりが遠くなった結果]
・登下校の範囲が広くなり、不審者、交通事故の不安が高まる
・熱中症や、荷物の負担によるランドセル症候群など健康被害の不安
・保護者による送迎が必要となる状況が増える
・天候が悪い日は遠距離では通学が特に困難となる
・集団登校によるトラブル(上級生が下級生を見るという負担)
私が議員になってからも、保護者の方から上記のように抱えてる悩みについてお話を聞くことが増えました。議会でも度々この声を伝えるために、問題提起としてとりあげてきました。しかし、当局は現状で実際に抱かれている保護者の不安を否定し、以前は対策が必要だと言っていた懸念点についての改善には触れず、現状大丈夫であるという理由をあげ、デメリットはないと真逆のことを言い続けています。
これでいいのでしょうか。私が南芦屋浜地区の小学校建設白紙撤回に疑義があるのは、中止にした後に懸念点を払拭できておらず、不都合が生じているこれまでの市の対応を見てきたからでした。なので、一般質問でもその事を伝えるために質問項目としてとりあげてきました。
👉芦屋市ホームページ『議会中継_令和4年第3回定例会 ー 9月8日一般質問』
👉『議事録_たかおか知子の一般質問_令和4年9月8日』
「通学」について思うこと【2】につづく…>>