子どもでも見抜けるだめなこと
私はよく、自分の周りで起こった人間模様を、子どもだったらどういう風に受け答えするのかと、反応を知りたくなることがあるのです。でも、特に議会の話を、大人の事情をそのままに話しても難しすぎるということで、同じ要点を例え話に変えて話してみるのです。
<例えばなし①>
『みかんさんから、風邪で学校をお休みすると連絡があったのね。次の日に、すいかさんがみんなの前で「昨日の学校の帰りにみかんさんが公園にいるのを見たよ。」と言ったのね。』
この会話を聞いてどう思う?と子どもに尋ねました。
→「あれ?みかんさん、風邪だったんじゃないのかな。って思う。」
子どもがそう答えたので、話を進めました。
『そしたら皆が「風邪っていって学校休んだのに公園で遊んでたの?」「みかんさんは風邪って嘘をついてズル休みしたんじゃない?」って言い出したのね。それでみかんさんは、「どうして、ズル休みしたみたいなことを言うの?」と言ったよ。すると、すいかさんが「ズル休みしたなんて、ひと言も言ってないよ!みかんさんを心配していったんだよ。」と言ったよ。』
再び、これを聞いてどうかを子どもに尋ねました。
→「何でみんなの前で言うんだろう。みかんさんだけに聞けばいいのにね。もしかしたら、そんなこと言うと、みかんさんがどういう風に皆に思われるかを、すいかさんはわかってて言ったんじゃないかな。」
<例えばなし②>
『みかんさんは、先生に「お願い」という題名で手紙を渡したのね。このことをたまたま見ていた同じクラスのりんごさんが、すいかさんに「クラスにいじわるする子がいて、みかんちゃんはすごく悩んでいたみたい。他に同じように悩んでいる子もたくさんいて、先生に注意してほしくて手紙を出したんだ。」と言ったよ。
それを聞いたすいかさんは、「こんな話を聞いた」と言ってみんなの前で先生に尋ねたのね。でも、先生はそのことについては何も話さなかったよ。ところが今度は、すいかさんの話を記者クラブのバナナさんが学校新聞に書いて、次の日にみんなが見たのね。そしたら、新聞を見たみんなから、みかんさんはいろいろ聞かれることになったよ。
みかんさんは辛い気持ちになって「私はそんなことで悩んでいないし、そんなことを書いていない。先生に手紙を出したこともみんなに言わないでほしかった。」と伝えたよ。』
この話を聞いてどう思ったかを再び子どもに尋ねました。
→「すいかさんが良くないと思った。なんでみかんさんに聞かないで、りんごさんから聞いた話を勝手にみんなに伝えたのかな。みかんさんは言ってほしくなかったのに、みんなに言われて一番かわいそうだね。」
2つの例えばなしですが、そんなことを言えば相手の状況が悪く伝わるということを、子どもにはわかるようです。これらの話は、議会内で議論している内容を、私なりに「こう言う話に置き換えれることだったのではないか」と解釈したつくり話です。
本人に非がなくても発言した内容によって状況が悪く伝わったり、相手をおとしいれてしまっていることが成り立っていることも大いにあるのではないでしょうか。話の意図をしっかり理解してくれている子どもの素直な反応が私にはいつも刺さります。
なぜなら、特に議員が集まって議論しているところでは、間違いがあるのにその事実をすぐに認めて「ごめんなさい。」という対応をあまりされることがなく、言い訳や逃げ口上な姿勢を見せられることばかりという印象を正直受けてしまっているのが本音だからです。