■ 9月に審議するお金の使われ方
本会議の開会中、3月には今年度の「予算書」を、9月に前年度の「決算書」を議員が審議します。『予算』とは、一般的に収入や支出の計画ですが、自治体の場合は「歳入・歳出の計画」といいます。『決算』とは、一年間の実施の中で経費を使用したあとの、歳入・歳出を計算したものです。
「この一年はこれだけ使う予定です。」と行政が事前に示す、予算の審査はもちろん大事ですが、反対に「決算」は、もう既に使ったあとの結果なので、終わった結果に対して意見するというのはあまり意味がないと、そう思われるでしょうか。
私はそうは思いません。なぜなら『決算』を行政が示した時こそ、議員は真剣に見て判断し言及するときだと考えているからです。
何事も次に向かっての反省会が大事だと思うのです。
今は9月議会です。通常の議案審査とは別に決算について審議が行われています。決算について審議するための特別委員会を『決算特別委員会』といいます。
決算特別委員会は、全議員(監査委員を除く)で審議することとなっています。
芦屋市議会では、平成30年度の決算審査までは全議員の参加ではなく、常任委員会のように代表の委員(会派に属さない人は入っていない)だけが出席できていました。
令和元年度から議会改革が行われ、決算特別委員会については監査委員をしている議員を除き全議員が参加することになりました。分科会として3つの常任委員会に付託するような形で議員の審議が行われる方式に変わっています。
■ 決算から始まる新年度予算への期待
令和元年度決算の時の私は、建設公営企業常任委員会の委員だったので、今年は初めての民生文教常任委員会の項目を担当します。まず決算の明細書は、とにかく分厚いです。
数字の表がズラーッと並んでいて、もともと会計や簿記に詳しいとか、会社経営の経理をやっていたとかそういう経験もないので、正直どこをどう見たらいいのかさっぱりわかりませんでした。なので最初は、過去の委員会を遡り、他の議員がどんな質問をしていたのかを拝見しました。
次に「予算」と見比べです。その時はどういう説明をしていたのかをチェックします。それから、同じ項目で過去の決算の明細書の数字はどうだったのかも比較します。
すると、「この使われ方は適正?」という数字や、「こんな取り組みがあったのか」と改めて知ることがあり、気になるところがどんどん多くなると調査に時間がいくらあっても足らないという感じです。
私は、性格的に自分が気になったところはとことん調べてしまうので、横道にそれることがあります。
とはいえ委員会の時間は限られていますので、利益又は損失(損益)のところで「これだけは言っておこう」という発言のポイントをどれにするかを絞ります。
■ 不用額から見える予算配分の課題
決算の明細書を見ていると「予算の振り分けは妥当なのか?」と疑問に思うところが目につきました。毎年のように続けて「不用額」が多く出ているような項目は、そこまで予算を確保する必要があったのかどうかということが気になります。
予算は決められた総額の中で配分されていますが、不用額を出している課が多く予算をとっていることで、他の課ではコスト削減して必要経費が削れているかもしれません。
使われなかった経費が別のところにあれば、他に改善が見込まれたこともあったのではないかと思ってしまいます。「コストがかかるから」という理由で安全面に関することであっても、「まだ大丈夫」だからと後回しにされることもありませんでした。
■ 予算の使い方に感じる矛盾
何かといえば、人口減少になるから予算の縮減をしなければいけないと言われるのは子ども予算です。
児童が減るからと小学校をあっさり廃校にしたり、児童が多く小学校を必要としている地域の建設を白紙にしたり、公立の保育所や幼稚園のことは民間委託へ移行してきた行政です。「子どもファースト」で子育て世代を呼び込みたいと言う割には、多くの議員も「少子化に無駄な箱物はいらない」ということを口にしていました。
でも、その一方では、50年以上も前に設置された施設で、今は利用者も3分の1の9人とずっと減っている中で運営している高齢者施設があります。「公立の箱物」ですが、全額市の負担で毎年約3,000万円の定額が指定管理者へと支払われています。ほとんどが人件費だそうです。
これこそ利用者のためにも、一人の受け入れ先を見つけるための助成金に繋げる補助をするとかを検討した方が、公立施設の維持管理費よりよほど経済的で効率が良いと感じています。
ニーズも多く必要とされている公立の保育所や、児童の多い地域の小学校の建設には「予算がもったいない」と否定的な考えであり、多くの子どもたちや保護者が求めているものには「節約せよ」と言われているような状況です。
その反対に、使われない経費を毎年確保していたり、少人数しか使用されていない箱物だけど利用者のために確保が必要だという考えのようです。
■ 決算審査で見えてくるもの
幅広い層の市民に対する費用対効果を考えても、これまでの芦屋市の予算の振り分けの妥当性には疑問を抱いています。見直す点を正しく理解し効率的な改善をしてこそ行政改革なのだと強く感じています。
矛盾点に気付くことで本当の意味で無駄を見つけ、逆に必要なものが何なのかを改めて知ることができるというのが「決算審査」かもしれません。
決算特別委員会とは、次の予算に繋がる議員にとって重要な発言の場だと考えています。










