賛成と反対の理由を述べる意味
令和3年9月21日に行われた、芦屋市議会第3回定例会の中での討論・採決でのことです。今回の討論は、同会派のお二人にお任せしていたので、私は登壇することはなく聞く側にまわっていました。賛否がわかれた議案もあったのですが 「賛成するけど、ここだけは指摘」 「反対するけど、ここは良い」 など、全体として大きな枠組みとなる議案内容などは、特にそう言う主張がでてくるものなのです。
「あ〜〜ここはいいんだけど、これは気になる点」ってことあると思うのですが、賛否がこれでいいのか、議員はほんとうに迷います。その思いを伝えるのが「討論」なのです。
ただ、討論とは何も「反対」の時だけ意見するものではありません。「認めなくてはいけない部分があるから賛成せざるを得ないけど、全部が良いと言っているわけではないんです。」というようなことで、「可決したからといって消極的な賛成だったのです。」 と言い残すことで、その後も慎重に取り扱ってもらうために言及するのです。だから、賛成であっても討論する意味があるのだと思います。
聞いていて楽しい討論もある
聞いていて良い気持ちになる討論とは、何も賛否が同じである意見だからということではありません。この日(9/21)の議案を例にとってお話します。
第54号議案「芦屋市立保育所の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例の規定について」
→私はこの議案に賛成し、賛成多数で可決となりました。でも、反対の討論をされた2名の女性議員さんの意見に私は釘付けとなり、保育のあり方について話をされていた内容に「私もそう言いたい!」と聞いているととても共感したのです。本会議場では拍手はできませんので、大きくうなずきながら聞いていました。(良い意見だよー)と意思表示をしたくなりました。
議員提出議案22号「芦屋市個別外部監査契約に基づく監査に関する条例の制定について」
→私はこの議案に反対しましたが、賛成多数で可決となりました。同会派の同期議員の反対討論はもちろん私も納得のいく意見でしたが、同じく反対に回られた会派に属さない女性議の視点がすごいと感じました。指摘されていた懸念点に対して、私も同意見だと思ったからです。
ただ、別の意見だった賛成討論についても、とても聞いてて楽しかったのです。それは何故かというと 「賛成したけど、ここは指摘」という観点で発言されていた、他会派の指摘が、私には的を得ていて「そうそう!」となったからです。
私たちの会派とは賛否が分かれましたが、反対している懸念点が同じ思いだったことがわかり嬉しくなりました。 賛成に回られているけど、問題があるとして考えいたことは同じであったことがわかり、それをしっかりと伝えてくれていたからです。
第57号議案「令和3年度芦屋市公共用地取得費特別会計補正予算(第2号)」
→私はこの議案に賛成し、賛成多数で可決となりました。また、この議案は、JR再開発事業に関わる予算だったのですが、議員から「附帯決議」が提出されていました。それについても、賛否がわかれたのです。
「附帯決議」とは、可決された案件に対し、事業を執行する上での要望や留意事項を述べるために提出されるものです。ようするにそのままでは議案を通す気はないので、賛成するには条件をつけるという感じです。
私の会派は予算には賛成し、議員提出の附帯決議には「意味をなさない」とし反対しました。 同会派の先輩議員が会派の意見を述べてくださったのはもちろんのこと、同じく付帯決議に反対された、他会派のベテラン議員の討論はさすがだと思いました。
このように、私の思っていたことと「同じ!」となった討論を聞くと、代わりに私の言いたいことまで、はっきりと言ってくださっているようで、聞いているだけでスッキリした気持ちになったのでした。 皆さん、文章構成も聞いていてもわかりやすく、大事なことを良く気づかれています。たくさん調べて議案に真摯に向き合われていることが伝わってきました。
きっと、原稿をつくる議員は、一生懸命それに時間を費やしていることと思います。私の場合、文章づくりが苦手な方なので、人より余計にかなり時間がかかってしまいます。
議決結果よりそれまでの議論が大切
時には自分の見解とまったく違うというような意見を述べられる討論もあります。その意見に対して「なるほど!そう言う考えもあるのか」と気づかされる場合もあれば 、もちろん私も人間なので「それ違うやん‼️(関西弁)」と叫びたくなるぐらい、聞いていて腹立たしい気持ちになることも、正直あります。そういう時は、思わず大きく首を横にふり「まったく同意していない!」 と相手への意思表示をしてしまいます。
そんな訳で、この日(9/21)の討論では、共感を得た意見もあれば、それとは別に違和感ばかりを感じてしまった意見も少なからずありました。議員は「討論」によって、自分の思いを理解してもらうということが大事なんだとそう改めて感じています。
議決は、賛否の結果だけを見るというのではなく、その結論を出した本質を知ることが大切!