芦屋健康福祉事務所は芦屋市内の中にあります。
「芦屋市の保健所の管轄は県」という言葉を最近よく耳にされることはありませんか?
私がこの事を知ったのは、4年ほど前のことでした。以前、自治会会長なって間もなくの頃です。違法民泊が放置されている問題が発覚し、迷惑をかけられていた住民の方と摘発を目指し動き出すことになりました。
その時に最も協力が必要だったのが、保健所の存在でした。民泊は、旅館業法の違反になるため、衛生上許可を出している保健所が取り締まることになっていたからです。この調査をしているうちに、芦屋健康福祉事務所が芦屋市の保健所窓口であり、県の管轄だということを知ったのです。
当初は「県をまたぐという不便さもあるのでは?」ということも感じましたが、県の方との間に市の職員も入ってくれて、市民と県と市が密に連絡をとれるようになり、職員の方が熱心に対応してくれたおかげで、問題意識が広域にわたり心強かったです。
芦屋市全域民泊禁止に拍車をかけれたのも、問題意識を早くから持ちかけ、この連携がすぐにとれるようになっていたことが大きな力になったと実感しました。その頃から、保健所が身近にあると言うことの必要性を感じ、注目して調べるようになった私です。
近年保健所については気になる話があります。
全国の保健所の行政改革
保健所の数は1994年の848→2020年の469へと半分近くまでに減少していることです。
この行政改革により、阪神南県民センターと、阪神北県民局の統合により、芦屋市の管轄だった阪神南県民センターがなくなるということで、兵庫県の最終案によりますと芦屋市も以下のような影響を受けることになります。
【現行】:芦屋健康福祉事務所
【統合後】:芦屋市内に宝塚健・芦屋健康福祉事務所 分室を設置
芦屋分室は、現在の芦屋健康福祉事務所が担っている機能のうち、一般県民の来庁が想定される相談、申請受付業務を行う窓口機能等に特化し、芦屋市が担う保健福祉行政との連携・一体的展開を推進(その他の機能は、宝塚健康福祉事務所に集約化)という記載があります。
そして、この後に新型コロナウイルス感染拡大により、更に保健所の存在が重要であると知らされることになっていきました。
「政令指定都市」「中核市」「特例区」とは?
日本の都市は、地方自治制度に基づいて、人口に合わせていくつかの区分に分けられています。
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人口50万以上の市であり、政令指定都市は「神戸市」
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人口20万以上の市であり、中核市は「西宮市」「尼崎市」「姫路市」「明石市」
芦屋市の管轄は県なのでこの5市との対応との違いもこれに関係してきますので、政令都市や中核都市は、設置主体は「市」ですが、その他の市の規模は「県」となっているのです。
また、地域住民の健康や衛生を支える公的機関の一つであ保健所とは、地域保健法に基づき都道府県、政令指定都市、中核市、特別区に設置すると規定があります。設置主体となっている市は、必ず医師である保険所長がおり、首長が任命します。
現状では、権限を渡された保健所を芦屋市が特例で持つことのハードルは高く、市立病院と同様に運営が難しいことなのかと感じます。
兵庫県から市町への権限移譲等推進計画
保健所機能の中から、どんどん市に権限を移譲したいと言う考えなのでしょうか。市町の自主性、主体性の拡大に向けて権限を渡すというのが目的のうようです。
保健所の役割といっても、たくさんありますが、中でも調査関係は、必ず権限のある保険所の人が立ち会わないといけないことがあります。新型コロナの感染症でもそうですが、違法民泊行為、児童虐待などがそれに関係してきます。
また、保健所設置市へは権限移譲というのもあるようです。
話をコロナに移しますが、消毒や検査が必要であるという判断は保健所がするので芦屋市の場合は県が公表した結果の報告を受ける側になっているということになります。
なお、学校閉鎖など運営に関する判断については、市長ではなく教育委員会の判断が主になってくるのではないでしょうか。教育委員会と市長部局の住み分けがありますので、教育長を任命する人事権は市長にありますが、教育に関する方針については、市長がどこまで指示することができるのかは、これから確認して参ります。