令和4年第2回定例会 ー 6月16日 本会議
原稿
南芦屋浜の最南端にある南護岸は、海岸法が定められた地区であります。県は、自由使用という名目で釣りをしてもよいということにしておりました。ところが、釣り人のマナーの悪さが目立ち、迷惑行為が後を立たず、地域の安全安心が損なわれ続けてきた経緯がありました。県や市としてもそのことを問題と捉え、課題解決の対策が必要であると感じておられたことと存じます。
南芦屋浜の住民にとっては住環境が守られず脅かされてきたことに、長年悩まれておりました。ゴミ放置により広範囲に渡ってカラスの被害が増え、撒き餌の腐敗臭、放置された釣り針による怪我、魚を火であぶりバーベキュー使用による煙の臭いが充満していました。
通りがかりの人がゴミを捨てないようにお願いすると「ゴミ箱がない方が悪いんだ」「どこに禁止行為って書いてあるんだ」と反対に怒鳴られるというトラブルも発生していました。
この状態を改善しなければいけないと考えてくださった芦屋市環境衛生協会様も「芦屋わがまちクリーン作戦」の視察場所にここを選び、南芦屋浜の南護岸を次の清掃活動の場所としてとりあげてくださるなどの話にもなりました。当時の役員の方からは、「市全体としてもマナー違反をなくすよう呼びかけが必要、ここは美しい芦屋の景観が損なわれている」と言われ、酷い状況にさらされていることをご理解されていました。
同時に、県議会でも、住環境が著しく悪化しているという状況から、南護岸の管理の悪さが指摘されており、問題点として上げられていた経緯もありました。
そして、対策を講じなければいけないという県・市・多くの市民の方の認識のもと検討がはじまろうとしていたのです。しかし、その矢先でのことでした。2018年9月4日、台風21号の被害に見回れ、この地区に浸水被害が起きたのです。そして、台風の後、安全対策の見直しが行われ、こうして先に護岸工事が行われたわけです。
最近になり、多くの方からこのようなことを聞くようになりました。「護岸工事が完了というお知らせがあったにもかかわらず、なぜ、中壁より先は、まだ開放しないのか?」というお声です。工事が完了と聞けば誰だって「開放はすぐだろう」と思うのが当たり前のことなので、何かあるのかと勘ぐってしまうのもわかります。
開放されない原因は、地元の住民が反発をして強制的に閉鎖をさせているわけではありません。しかし、今ではそのような憶測も飛び交っているとのことです。
県と市が芦屋の住環境を守るために対策を講じ、管理体制を整えなければいけないということが、なぜ広く認知されていないのでしょうか?
結局いつも、このような対立図ができてしまうのは、行政の手順の悪さ、周知の悪さがそこにあり、何も知らされていないことが、かえって悪い憶測を生むことの引き金になっていると、私はかねてから現在もなお、ずっとそのように感じておりました。護岸工事の中で、有人管理などの対策を、同時に行う必要を認識されているにもかかわらず、どうして市民には伝わっていないのでしょうか?過去からの経緯と問題点を説明し、管理体制が整ってこそ護岸の開放がはじまり、今はその検討中であることを、なぜ、多くの方の理解が得られていないままなのでしょうか。
これまで、芦屋は住環境を守ることを優先とされてきました。芦屋川や芦屋浜がマナー条例によりバーベキューが禁止になのも、住居が隣接しているからです。南芦屋浜の護岸も同じように住居が近い環境にありながら、なぜ、重視される扱いが違うのでしょうか?
住環境を守る管理体制がないまま、先に釣りは許可されてきました。何の規制もなく釣りを楽しめていた場所が、その後、禁止地区や有料の指定場所となった場合、欲求不満を助長させ、理解が得られにくくなるのは当たり前のことです。はじめから、釣りができないとなれば誰もがそう認めていた話ではないでしょうか。
住環境を考慮せずなんの管理もしないで、後に、迷惑行為が多発する原因となった釣りを許可してきた県に私は強く責任を感じています。
「住環境が脅かされたことで、ただ、助けを求めていただけの地域住民が悪者扱いされるようなことがあるならば、私は黙って見過ごすわけにはいきません。
市民に対し、これまでの問題点や状況がきちんと伝わってほしいと願っております。現状を一番把握されている当市が、県との連携を強化し、美しい住環境を守るという芦屋市の理念を広く理解してもらうためにも、もっと働きかけなければ、誰がそれをできるというのでしょうか?今後の護岸管理についてどのようにお考えなのかお示しください。」
質問席での質疑
はじめに断りをいれました。南芦屋浜の沿岸には3つの護岸があります。ビーチ護岸、南護岸、東護岸とよばれるものです。ビーチ護岸は港湾法、南護岸は海岸法と、法の定めてる基準も違います。川上議員が一般質問で「南芦屋浜のビーチの活用について」を取り上げられましたが、今回私の方は、砂浜に囲まれたビーチ護岸とは切り分けて、南護岸のみに特化した内容を取り上げておりますことをお伝えしました。
私はあえて迷惑行為と言わせてもらいましたが、何が問題だったのかをモニター画面でこれまでの写真を提示しながら、状況を説明しました。
迷惑行為① ゴミ放置
迷惑行為② 臭い
釣りをして帰られた後の地面を見ると、撒き餌が残っていました。腐敗臭は住宅地にまで充満し、ゴミ放置と合わせてカラスは喜び集まってくる状態をつくっていました。
迷惑行為③ バイクの侵入
工事前の南護岸は、海沿の際までバイクが侵入していました。ここはバイクの侵入を禁止区域でしたが、物理的に出入りが可能だったため守られていない方が多くいました。
Q、以前の状態を改めてご覧になられて、「美しい芦屋の景観」と言えるのか?
Q、バイクの侵入については、入り口で塞ぐことによって駐車場や護岸への侵入は防げている。しかし、以前のことを考えると、バイクで訪れる方も多くなることが予想されるが、駐輪場がないのであれば、近隣の住宅街付近への路駐が増えるのではないのか?
Q、護岸は完了しているが、開放についてはまだ決まってないのか?
この項目を私がとり上げた理由と要望
今日これをご紹介したのは、誰もが気持ちよく南護岸を利用できるように生まれ変わってほしいという強い思いがあったからでした。南護岸での探索を楽しみに開放を待ち望む方の声も高まっています。一方で、開放後にまたこのような迷惑行為で住環境が守られないことを不安に思われ、対策がしっかりなされているのかを心配されている方も多くいます。
どちらも自由使用を活用した有意義な場所になってほしいと望む大切な声です。それを実現するためのルール作りがしっかりと行われることを要望とし、南護岸が開放される工事完了を待ち望みたいと思います。
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