元県知事に対する不信任決議の内容について検証
議会で全会一致を求めるためには、内容を細かく調整し、各会派に納得してもらう必要があります。そのプロセスは非常に困難です。一語一句、他会派から指摘があれば修正を加え、再び他会派に確認し直す。その繰り返しを経て、最終的に全員の合意を得たものが決議文です。文章のニュアンスが少しでも異なれば合意は得られません。そのような調整を重ねた結果、全員が賛成したのが今回の決議文であり、これは県議86人全員が賛成した重要な内容です。
地方自治法に基づき正確性が求められる文章に、仮に「虚偽」が含まれ、それに全員が賛成したとすれば、それは極めて重大な問題であると言わざるを得ません。しかし、私の見解では、県議会議員全員が「間違っていました。申し訳ありません」と後に責任を取るような状況を招く虚偽の文章を作成することは、考えにくいと思います。
それでは、実際の文章を確認していきましょう。
【不信任案決議の内容】
文書問題調査特別委員会の調査の中で、
告発文書の内容に真実が存在し
文書が『嘘八百』ではなく
告発者への対応が告発者探しや情報漏洩の疑いを指摘されるなど
不適切と言わざるを得ないことが明らかになった
にもかかわらず、知事は
「真実相当性がない」、「誹中傷性が高い」として
県の対応は適切であったとしているが、
専門家は公益通報者保護法の見地から
「兵庫県は今も違法状態」と断じている。
つまり、決め手となったのは、告発文書の内容に真実が含まれていたという点だと思われます。
パワハラの有無については、現在も百条委員会が継続中のため、最終的な結論はこれから明らかになるでしょう。しかし、この時点で告発文書の内容に「嘘八百」が含まれていなかったことが確認されているため、それが不信任案提出の大きな理由となったと考えられます。
いろいろな話しが飛び交い、ネットの情報によって複雑化されていますが、知事の失職の理由については、実際は、単純に判断できる内容だったのではないかと私は理解しています。