■ 疑心暗鬼なのは気のせいではない
議員になりたてでまだ周りの方とも親しくなかった頃、私はこんなことを感じていました。議会というところは疑心暗鬼になっている議員が多く、そういう思惑が渦巻いている所だと。あまり会話を交わすこともなく、誰もが一歩線を引いて話をしているように思ったからです。
私は本音と建前の中で社交辞令的に表と裏で話を分けてするのが苦手なほうなので、すごく戸惑いました。
こんな風に議会に対して感じてしまったのは、お互いを思いあえる信頼関係が構築されていないからだと思いました。まるで足のひっぱり合いをしなければそこでは生き残れないというような、諦めに近いものを誰もが持っているようにも感じたのです。
たしかに、選挙で議席を奪いあった中なのですから、そう簡単に警戒心を抱かずにはいられない環境におかれているのかもしれません。ここが代表者を選ぶ仕組みのすごく歯がゆいところではあります。
裁判官の投票みたいに、議員になってほしい人を複数名◯で評価をつけてもらい、その数で順位を出すという選出方法はできないでしょうか。なんてことを一人で考えていました。
もちろん一票というのはとても大切です。ただ、そこで市民間と議員間に派閥をつくってしまう原因があるならば、そんな仕組みを捨てて、多様性が取り入れられるように協力し合える世の中に根本から変えていく必要があるように感じています。
国の法や制度を変えることは、並大抵のことでは実現しません。多くの方を巻き込むことになればなるほど、新しいことへのチャレンジはリスクが大きく生じてくるかもしれないため、強くは進められないものかもしれません。
そうはいっても、与えられた環境の中だけでやり過ごさなければならないということに囚われて、考えることを止めたりはしません。
■ ひとりきりではなく仲間と解決
私は議会でひとりぼっちではありません。こんな異例なことばかりがおこる状況ですから、周りの議員との意見交換も増え、たまには愚痴も聞いてもらったりと、同じ境遇の立場だからこそ誰よりも気持ちをわかってもらえることがたくさんあります。
そうやって励まし合い相談しあって信頼関係をつくりながら、議員の任務を務めることができています。
市民からご相談をいただく時も、私1人の知恵ではなく、議員同士が協力し合うことで、もっとよりよい解決に向かえる、それが合意形成をする議会の本来の姿なんだと私は思っています。
防災について同じ問題意識を持っているもの同士、子育て問題を共に考えられるもの同士、地域別で身近な問題を共有できるもの同士、芦屋の明るい将来像を共に語れるもの同士など、その時々の話の内容で相談する相手も変わってきます。よりよいゴールに導くことを目指すために共同で動き、数の力を発揮するのです。
それは何も会派の人数のことを言っているのではありません。ただ単に議決を思うがままに決定させるためだけに人数を増やし、数で固まるものではないと私は強く感じているからです。市民のお悩みを他の議員と一緒に考えて協力し合えば、それがもっと大きな力で解決に向かいます。
■ 会派にしばられない議会へ
これは議員になってからずっと言い続けていますが、地方自治体の議会において政党や会派の枠のくくりにとらわれている考えや行動を減らしていきたいと考えています。
議員同士、正しい結論を導き出すための情報交換や、お互いの知恵を絞り相談し合う中なのですから、そこでは会派や政党にしばられた意見はむしろ正しい判断を鈍らせていくように捉えています。
有権者はその個々の議員を信頼して思いを託されているのです。議員が会派の中でその意志を押し殺さなければならないということであれば、政党の意思を届ける組織の代表として選挙で選ぶようにする必要があります。
国政ならばある程度その枠組みの中で選挙を行うということは、民意の整理ができる話なのかもしれません。しかし地方議会が政党の考えで政策を縛り判断して推し進めるような場面ばかりが目立つようでは、市民が主役の地方自治体とは言えないと私は思っています。
■ ハプニングの時こそみんなの力
ところで、市長が新しく変わり今期の議員が就任してから、芦屋市では想定外なハプニングが続いています。
私をはじめ議員になりたての新人議員は、特に異例な事態が続き戸惑う毎日を過ごしています。このように数々の問題が浮上してきた芦屋市政ですが、一方で議会の中にも変化が出てきました。私と同じような意識を持っている議員との距離が縮まっていったのです。
そうやって話し合える関係をつくれる方が議員でいてくれたことに励まされ、ここまで乗り越えてこられた気がします。できれば全会一致として議会の意見が同じ方向になっていければ良いと思いますが、現状の芦屋市議会ではなかなかそれが難しいことの方が多いようです。
一番大事なことは、納得がいく話し合いができたかどうかということであり、自分に責任をもって判断して行動できていたかということなのではないでしょうか。
会派の控室にいると「トントントン」とドアを叩く音がして、他の議員が「ちょっといいですか〜」と話をしにきてくれるのが嬉しいです。










