南芦屋浜地区を代表する自治会組織とは
これまで釣りができていたエリアが『釣り禁止』と決定されることとなった理由は、県と市から伝えられた『10ブロック会の要望書』が重要な鍵となっていたことがわかりました。この要望書については、後に私が問題点を指摘することになるのですが、まずは、この要望書がどのような位置づけのものであり、どのようにして行政がその影響力を評価していたのかを説明していきます。
まず、10ブロック会とは、芦屋市自治会連合会に所属している、ブロック規約に基づく自治会および管理組合組織のことです。
現在、82団体が所属しており、一定の地域内にある町内自治組織をもとに、地域ごとに10箇所のブロックに分かれたグループで構成されています。10ブロック会とは、10番目に区切られた南芦屋浜地区を代表する9団体のことを指し、自治会連合会の理事会で決定した事項について、各地区で連携して意見集約を行う場として集合しています。主に、正規会員はその町内自治会の総会で承認された会長が出席を求められています。また、各ブロック会から2名を選出し、芦屋市自治会連合会の理事として理事会に出席していますが、10ブロック会では、その2名のうち1名を会長としています。県が言う『10ブロック会会長』とは、その理事のことを指しているのです。
行政が決めた釣り場全面禁止の根拠に潜む矛盾3点
私は以前から、このブロック会の会議に議員オブザーバーとして出席しており、そこでの協議内容を随時共有していたため、状況を把握していました。しかし、7月24日に説明を受けた際、県の課長の話には3つの矛盾があることに気づきました。まず一つ目の矛盾点は、県の課長が「ブロック会から要望書の提出があった」と答えた点です。なぜなら、ブロック会では次のような経緯があったからです。(いずれも2024年)
●6月24日
ブロック会長から、会議のメンバー全体宛てに『南護岸関連要望書提出について』というタイトルでメールが届いた。要望書の主旨は、南護岸の釣り禁止を求める内容であり、提出に関する意見を6月27日までに求めるものだった。しかし、ブロック会に所属している、護岸に一番近いに位置のS町自治会会長は、「ブロック会として、この要望を取り扱うことは基本方針にそぐわない。」との意思を即座に表明され、S町自治会では、要望書の提出に参加しない旨が伝えられました。ブロック会長もこれを承知し、その後、他の町からは賛成も反対も表明されることはないまま、7月6日に再び会議の招集を求めるメールがブロック会長から届きました。
●7月6日
ブロック会において会議が行われました。この日の会議には、S町自治会長は出席していません。ブロック会長が『南護岸等の全面釣り禁止』を求める要望書をブロック会として提出したいと提案し、意見が交わされたようです。しかし、出席者からは、要望書の提出に対する理解は得られず、実際に地元の状況をよく把握していない上、近隣住民の意見も十分に集約できていおらず判断ができないため、ブロック会としての提出は却下となりました。なお、ブロック会長が、どうしても提出したい場合は、代表の名を使うことなく、個人として要望書を提出することは止めないという結論が出されました。
この時はメンバーの誰もが、ブロック会長が提示してきた要望書は、ブロック会としては提出されずに終えたと思っていました。だからこそ、私が妙だと感じたのは、なぜ、正式に許可を得てもいない要望書が「ブロック会」として提出されており、さらには「地元の総意」として行政側に受け止めているのか…。ということでした。これが1つ目の矛盾です。
そして、2つ目の矛盾点は、「この要望書についてブロック会と2回協議を行った。」と県の課長が伝えてきたことです。さらに、協議日程の案内もブロック会長に電話で伝えていたというのです。
しかし、実際には、そのような会議が開かれるという案内は、ブロック会メンバー(地区エリア代表者たち)には一切伝えられていませんでした。知らされていない中で、どうして県の課長は「ブロック会メンバーが出席していた。」と言うのでしょうか…。これが2つ目の矛盾です。
さらに、3つ目の矛盾点は、南護岸に隣接しているのはS町自治会ですが、その町内を代表している自治会長が、ブロック会として要望書の提出は、棄権(賛同を得ず)していたにもかかわらず、県の課長が「出席者の中には、S町自治会の住民もいた。」と話してきたことです。しかも、この協議の出席者たちのことを「ブロック会の正式メンバー」だと言い切っていました。
ブロック会に参加している私の知る限り、メンバーは要望書の提出に対して、誰一人許可していなかったので、当然、参加もしていないはずです。そんな状況で、ブロック会の中で一体誰がこの協議に参加していたというのでしょうか…。これが3つ目の矛盾です。
この矛盾に気がついたのもの、私が日頃からブロック会に参加してメールも共有していたから状況を判明できたのでした。その上で、県の課長の認識を聞いて、さらに疑問が深まりました。
そこで今度は、この2回の会議がいつ行われたのかを確認しました。1回目は6月21日、2回目は7月19日だったようです。
…ちょっと待ってください??
ブロック会長は、会のメンバーに向けて、6月24日に要望書を提出したいという趣旨の案内をメールで送信していました。この時点で初めてブロック会長の考えが、代表者たちに伝えられたのです。しかし、県の課長は、それよりも3日前の6月21日に、ブロック会と既に要望書の内容について協議を行っていたと言うのです。これは一体どういうことなのでしょうか。そのような会議が行われていたことをブロック会では聞かされていないのに、一方で、協議に出席していた人たちのことを、行政側は正式なブロック会メンバーだったと認識した上で、すでに『釣り禁止』の要望を受けて会議が進められていたということになります。
真実は問わなければ見えない?行政の決定プロセスに潜む問題
それにしても、私がここまで聞き出さなかったら、一体どうなっていたことでしょう。協議が行われていたことも、要望書の出所も知らないまま、ただ行政から『地元の総意』として要望があったと伝えられ、そのまま受け止めていたかもしれません。誰も尋ねなければ県の課長もここまで状況を詳しく伝えることもなく、真相にたどり着くことがないままだった可能性があります。
この要望書が正しい経緯を得て『民意』を反映したものではないと疑いもせず、行政の決定がそのまま進められていたかもしれません。単に要望を聞いただけや、検討している段階ならまだしも、正式にブロック会メンバーと認められていない、どこの誰とも明らかにできない人たちの話を『地域を代表する自治会組織の声』である地元の総意として受け止め、行政がその意向に従ったのであれば、これは重大な問題です。もし、行政の決定プロセスにおいて、状況を見極める判断が欠落している部分があるならば、その原因究明を急がなければならないと感じました。
そこで、県の課長に要望書の内容を見せるように求めると、「ブロック会長から ”孝岡議員も知っている。” と聞いているため、改めて渡す必要はないのでは?」と伝えられました。
どうしてそのような反応だったのかというと、ブロック会のメンバーが、会長から草案としてメールで受け取った添付の要望書(案)の内容と、その時と全く中身は同じものが提出されていたからです。この要望書の提出はもちろん、ブロック会では却下されていましたが…。
要望書の中身について言えば、記載されている迷惑行為の一例として挙げられている内容の多くは、過剰に伝えられている印象がありました。私が過去から把握している迷惑行為の実態と比べても、現状は、マナー向上の理解も深まり、要望書で報告されているほど深刻ではありません。そこで私は、9月議会の一般質問という公の場で取り上げ、市に対して抱いている疑問を明らかにすることにしました。
No.3 兵庫県が決定した南芦屋浜南護岸等の『釣り禁止』の裏に隠された驚きの真相!につづく・・・『住民の声が利用された?行政の急な方針転換に疑問』













